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2025年度、建設投資見通しは1.8%の微増
2025年度、建設投資見通しは1.8%の微増
建設市場の動きを予想するには、建設投資推移を把握しておくことが必要です。
国土交通省は「我が国の建設投資は、社会経済活動・市場動向等に与える影響が極めて大きいことから、国内建設市場の規模とその構造を明らかにすることを目的として、昭和35年度(1960年度)から毎年度、建設投資見通しを作成しています。」(以上、国土交通省 引用)。
「建設投資見通し」は、近年その年度の8月頃公表されていますが、これに先駆け、建設経済研究所と経済調査会が来年度(2025年度)の建設投資見通しをまとめましたので、その概要をお報せします。
1.建設投資総額は前年度比1.8%増
建設投資総額は、73兆5,900億円で前年度比1.8%増。但し、海外景気の下振れや物価上昇、金融資本市場の変動などの影響に留意する必要があるとしました。
2.政府分野投資見通し
政府分野投資は前年度比1.1%増で、23兆9,800億円。
国が進める「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」の残事業や、後継として国土強靭化実施中期計画の策定が予定されていることから、公共事業は引き続き堅調に推移するとみています。
3.民間住宅投資見通し
民間住宅投資は前年度比1.6%増で、16兆8,900億円。
住宅着工戸数を0.6%増の79万7,600戸と推計。建設コスト上昇で住宅需要を抑制する状況が続き、着工戸数は大幅な回復が見込めないとしました。ただ投資額は労務費をはじめとした建設コスト上昇や、省エネ基準への適合義務化などを背景に増額を見込んでいます。
4.民間非住宅投資見通し
民間非住宅投資は前年度比3.1%増で、19兆5,300億円。
民間非住宅投資は、海外の経済・物価動向や資源価格の動向などがリスク要因となりますが、オフィス需要の回復や大都市圏の開発案件を中心に、前年度と同水準としたほか、通販サービスの進展で、倉庫、流通施設は新設、建て替え需要が堅調に推移するとしました。
5.民間建築補修投資見通し
民間建築補修投資は前年度比2.4%増で、10兆7,800億円。
民間建築補修投資は、住宅分野では省エネ化へ国の補助金を背景に、非住宅分野ではインバウンド需要による改修工事や省エネ対策などから堅調に推移すると予測しました。
2024年は急激な円安や株式市場などの下落、増税感や物価上昇、企業倒産、廃業の増加など、経済動向には目が離せない状況が続いていますが、目指す建設業界、企業の動向を探るうえで参考としていきましょう。
(本記事は総合資格naviライターkouju64が構成しました。また掲載グラフ・図表は建設経済研究所が公表した数値をもとに筆者が独自に作成したものです。)