特集【2】 土木の専門領域と進路にはどのようなものがあるか?【建設知識~土木編~】

社会生活に必要な基盤を作る土木工学

社会生活に必要不可欠な社会基盤施設(インフラ)を作るための技術が土木工学です。具体的には道路・鉄道・港湾・空港・橋梁・トンネルといった交通網や、ダム・堤防などの河川関係・上下水道・浄水施設といった水回り、発電施設、通信施設、廃棄物処理場など多岐に渡ります。

近年は快適さに加え、安全が重視されるようになり、特に日本では災害に強いまちづくりが望まれるようになっています。

「三力」といわれる土質力学、水理学、構造力学が基礎

橋を作る際には、土台となる地盤の状態や、地面にどのような力が加わるか把握する必要があります。これが土質力学です。

橋脚を水の中に作ることもありますから、水がどう流れて、どこにどのような力がかかるか知っておかなければなりません。これが水理学です。

橋にはさまざまな力がかかりますから、これらを分散させたり、支えたりしなければなりません。これを学ぶのが構造力学です。

その他にも材料力学や測量学が必須科目となり、専門分野に分かれて、交通工学や気象学、風工学、環境工学、都市計画、景観学などを学んでいくことになります。

堅実で安定している土木の就職先

土木の就職先は生活に不可欠な施設を扱っているため、維持管理・改修など絶えない需要があり、景気の影響を受けにくいといわれています。

就職先としては、土木工事の発注者となる公務員があり、国家公務員でいえば、国土交通省をはじめ環境省、防衛省といった省庁が代表例です。さらに、県庁や市役所といった地方自治体の土木専門職も人気です。

民間企業で代表的なのは総合建設業(ゼネコン)です。ダムや橋梁、道路などを作る際の、計画・設計・施工・維持管理といった一連の実務を担当する技術職です。

また、設計・計画・調査に特化した建設コンサルタントやデベロッパーに行ったり、施工・維持管理に特化した土木建築系の中小企業に行ったりする進路もあります。

民間の発注者となる鉄道会社、NEXCOや首都高速道路など道路関係、電力やガスといったエネルギーインフラに就職する学生もいます。その他、少数ではありますが、空港職員やNPO、シンクタンクなどがあります。

専門性の高い仕事が多く、大学院で研究を修めることが推奨されていますが、学部卒でも十分に就職に強く、研究で知識を深めるか、現場で実務能力を磨くか、進路は選択の幅が広いといえるでしょう。

 

(本記事は総合資格naviライターkouju64が構成しました)