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特集【6】大成建設がデジタルツインバースで「石見銀山DX化事業」を推進中【建設DX】
2024年8月5日、大成建設は島根県大田市で、次世代型メタバースのデジタルツインバースシステム「T-TwinVerse」を利用した「石見銀山DX化事業」を開始しました。
この事業は、石見銀山生活観光研究所が運営するサテライトオフィス「石見銀山大森町 オフィス林家」に拠点を開設し、産官学民協働で教育や観光、自治体業務など複数の領域に対してAI活用を進めていき、得られた成果を活用しながら、今後のモデルケースとして運用し、国内さまざまな地方へ展開させていこうという試みです。
写真:サテライトオフィス
サテライトオフィス「石見銀山大森町 オフィス林家」は、専有面積15.5㎡。石見銀山の町並みと調和すべく、古民家を改装した風情あるシェアオフィスとしています。
T-TwinVerseは都市BIMと生成AIを活用したデジタルツインバース
T-TwinVerseは、現実空間とデジタルツイン(現実空間を模した仮想空間)をリアルタイムに相互連携できる、次世代型メタバースのデジタルツインバースシステムです。
このシステムでは、さまざまなステークホルダーが持つ位置、音声、映像などの情報を統合管理することでリアルタイムで高度な情報共有が可能になります。
システム構築の狙いは「地方創成」支援にあり、2022年11月より、「石見銀山メタバースプロジェクト」を創設して、産官学民の協働でシステムの技術実証実験を進めてきました。
下図は、大成建設により、技術実証実験をイメージ図としたものです。
「T-TwinVerse」の実証実験の概要
技術実証実験は、大成建設と島根県大田市、島根県立大学および石見銀山群言堂グループによる「産官学民連携プロジェクト」が実施しています。具体的な検証は下記5項目です。
1.関係人口増加効果検証
第一弾は2023年11月19日に東京で行われた「しまね移住フェア2023in東京」の大田市ブースにて、移住希望者にデジタルツインバースを活用し、実際に疑似体験してもらいました。体験者を増やすことによる効果の検証をしていきます。
2.異業種間の情報共有による価値創造
デジタルツインバース上にさまざまな情報を書き込み、異業種間で情報共有を促進。街の課題と魅力を発見して、新たなサービスの展開を目指していきます。
3.生成AIによる街案内ガイド
過去に蓄積された観光情報や文化調査情報をデジタルツイン上に保存した上で、生成AIを用いた街案内ガイドを展開。人手不足問題を抱える街案内ガイドの新しいスタイルを提案・検証します。
4.生成AIを用いた重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建)の修景支援
撮影した街の高精度3D点群モデルを基に、生成AIを用いて重伝建の外観要素を半自動でBIM化します。
3D点群モデル書き込み機能を用いた主観的景観評価と組み合わせて、新築、増築、修繕における修景支援とその効果を検証します。
5.3D点群撮影による手軽なデジタルツインバースの構築
建物の3D点群撮影から精緻な建築BIMを作成させるためには通常約2ヶ月程度を要するところ、「T-TwinVerse」では3Dスキャンの点群モデルをそのまま用いて、数週間程度で安価にデジタルツインバースを作成が可能です。
こちらでも関係人口の増加および、異業種間の情報共有により新たな価値の創造という効果があるか検証していきます。
T-TwinVerseの「石見銀山DX化事業」以外への活用について
T-TwinVerseは、石見銀山DX化事業以外にも、全国のリニューアル事業や都心の大規模再開発事業案件に活用することができるシステムです。建物利用者がアバターを使い、建物の竣工前から建物内での空間体験や、購買体験、エンターテイメント体験をすることなどが可能となります。これらアバターの行動記録や、利用者の意見を取り入れていくことで、より魅力的な建物づくりに寄与することでしょう。
本記事構成は「大成建設プレスリリース(2024年6月26日)」を参考としています。
より詳細を確認されたい方は、ぜひ閲覧してください。
(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)