地方公務員 建築職になるには?【官公庁・公務員の基礎知識】

地方公務員の建築職の仕事内容や魅力

建築系の進路として、民間企業の他に官公庁で建築行政に関わる公務員として働く道があります。中でも出身地で活躍できる地方公務員(都道府県・市町村職員)は、地域貢献度が高い職務であることや、安定性から人気の高い進路です。

地方公務員の建築職は、多様な業務を担当しており、数年おきに関連部署を異動しながらさまざまな職務を経験して、昇進していきます。具体的な建築職の仕事内容を部署ごとに説明していきます。

●官公庁で建築専門職が在籍する主な部署(名称は自治体により異なります)

上記部署の他に、管内の建設事務所や支所等に勤務することもあります。

多くの地方自治体では「都市整備局」、「土木建築局」等の名称で、土木と建築が同部門となることが多いです。建設(土木+建築)の括りで、公共が管理するのは河川・道路など土木が多くなっています。職員採用試験区分や配属部署は、専門性が異なるため、土木・建築で分かれています。

地方公務員(上級・大卒程度)建築職になるには

新卒(又は既卒)で建築職の地方公務員になるためには、応募要件を満たし、地方公務員(上級・大卒程度)採用試験に合格する必要があります。

下記の応募要件は一例です。必ず受験する各自治体の要件を確認しましょう。

採用試験の例(各自治体によって異なるので受験する自治体で確認しましょう)

 

●教養試験:一般教養、適性試験、SPI3等

●専門試験:数学、物理、建築構造設計、建築構造、建築計画、建築法規、建築施工に関する択一式試験など

※過年度の試験問題を開示している自治体が多いので事前に確認をしましょう。

※専門試験は、建築士試験(1.2級)過去問題集で対策できることが多いです。

※試験時期は、申込(4月)、一次試験(6月)、二次試験(6月から7月)、三次試験(8月下旬頃)が多くなっています。近年は民間企業の採用試験、内定が早期化しているため、先に民間企業に就活して、公務員試験を受験する人が多くなっていますが、試験準備は早くから開始して怠らないようにする必要があります。

公務員と建築士・建築基準適合判定資格者検定・建築主事について

地方公務員建築職の主要な職務に、建築指導課などでの建築確認業務があげられます。建築確認を行うことができるのは、建築主事と呼ばれる資格者です。

建築主事は、都道府県や政令指定都市(人口25万人以上の市で政令で定めるもの)には必ず設置が必要で、人口25万人未満の市町村でも、建築確認を行う場合は設置が望ましくなります。建築主事を設置する都道府県、市町村を特定行政庁といいます。

建築主事になるには、建築基準適合判定資格者検定に合格しなければならず、建築基準適合判定資格者検定の受験資格は、一級建築士合格者で、2年以上の建築行政、確認検査等の実務経験を有する者となります。

そのため将来、建築主事として職務を行う公務員は、一級建築士が必要となることから、近年、地方自治体の建築職は一級建築士の早期取得が推奨されています。

総合資格学院に通学して合格を目指す公務員も多くなっていますので、地方公務員を進路とする方は、公務員試験対策にもなりますので、まずは一級建築士過去問から学習を開始していきましょう。学習の進め方や通学についてはお気軽にご相談ください。

 

(本記事は総合資格naviライター kouju64が構成しました。)