【就活情報】気になる、入社後の配属!新卒社員の配属はいつ決まるのか?

就活生の皆さん、こんにちは! 今回は、最近、学部3年生からいただいた、「配属はいつ決まるのか?」という質問について、まとめてみようと思います。

新卒社員配属について、特に地方から全国展開している大手企業に総合職採用でエントリーしている学生にとっては、不安な面があるのかもしれませんね? また、学生本人よりも、「両親に聞かれて困っている。」というような声もよく聞くところです。

はじめに回答してしまうと、「それは決まっていない」というか、企業ごとに、入社される皆さんの希望や、個別に適性をみて、「適当な時期に決めている」ということなのです。それでは答えになっていないとの意見もありそうですので、本記事では全体的な傾向や注意点などをお伝えしたいと思います。

なお、本年内定が出ている2025年卒は、すでに入社予定企業から配属について発表があったか、これから伝えられていく予定だと思いますので参考程度としてください。

大手企業の配属は、昭和・平成・令和と、時代の変遷に合わせて大きく変わってきました。建設系については、文系総合職と比較して、あらかじめ職種や配属部門が明確になっているのが特徴であると思います。これについては後述します。

「新入社員の初任配属について」最近掲載された記事を紹介します

2024年9月27日、就職みらい研究所(リクルート)は、「新入社員のキャリア不安を解消する初任配属の在り方」という調査結果を発表しました。本発表は建設系ではなく、全体の傾向です。一部を引用したいと思います。

1.配属決定時期の変化

「卒業年度6月中旬時点で就職予定先企業について「応募時に、配属先が確定していた」と回答した学生の割合は、2024年卒が12.9%だったのに対し、2025年卒では19.7%であった。

配属先が確定した時期を「入社を決める前までに確定・計」で見ると、2024年卒で27.1%、2025年卒で37.3%と、配属確約での応募や入社を決める前に配属先が確定する学生の割合が増加傾向にある。」

2.キャリア意識の高まりとキャリア不安

「就職先を決める前に配属先が確約されていた方が良いかを卒業年度6月中旬時点で聴取したデータによれば、「確約されている方が良い・計」は2025年卒でおよそ85%と、2024年卒に比べ約4ポイント増加している。ただし、「確約されている方が良い」と考える学生全てが、自ら配属先を選び応募したいと考えているわけではない。配属先について明示してほしい時期について聞くと、2025年卒の「入社を決める前まで・計」は78.3%だが、「配属確約での応募」は18.4%にとどまっている。

キャリア形成に対する意識の高まりは、不確実性に対する不安と表裏一体の関係にあり、その不安を解消するために、例えば配属先をできるだけ早いタイミングで知りたいと考える傾向が強まっていることがわかる。」

3.企業の状況と新たな課題

「新入社員への配属先伝達時期として、「募集時(配属確約での募集)」を選択した企業の割合は20.0%(複数回答)で、一部の企業では配属を募集時に確約する動きが見られる。

採用充足のための手段としての配属確約ではなく、学生の不安を解消し、企業と学生双方にとって有益となるような配属の在り方を考える必要がある。」

以上、引用ですが興味深い調査結果につき、ぜひ元記事をご覧ください。

《就職みらい研究所 REPORT》新入社員のキャリア不安を解消する初任配属の在り方

建設大手企業の実例をいくつかご紹介します

■大手ゼネコン

職種採用や、グローバル職・エリア職が採用時点から明確となっている企業が多いです。各社で制度は異なりますが、内定段階で担当職務や全国・海外転勤の有無や勤務エリアが決まっていて、入社当初は集合研修を実施して、研修終了後に配属部署・支店に赴任する企業が多くなっています。以下は例となります。

●大林組

大林組では職員を全国型と拠点型に区分して採用を行います。エントリーシート提出の際には、いずれかの勤務区分を選んでいただきます。「全国型職員」「拠点型職員」いずれにおいても大林組における基幹業務を担当することに変わりありません。

・全国型
⇒勤務地を限定せず、国内および海外のいずれの地域においても勤務します。

・拠点型
⇒勤務地を大林組の本支店管轄地域内に限定します。拠点型職員についても、本支店内での転勤はあります。全国型職員の給与の90%〜80%(地域係数)に設定されます。本支店勤務地域の生計費などの地域差指数を勘案して拠点ごとに定めます。

●大成建設

大成建設では「コース別採用」を行っています。

・総合職
⇒勤務地の限定はなく、様々なビジネスフィールドで活躍していただきます。
業務の必要に応じて、海外を含め転居を伴う転勤や出向をする場合があります。

・専任職
⇒原則として採用時に決定するエリアで、地域に根ざした活躍をしていただきます。
業務の必要に応じて、限定された地域内で転居を伴う転勤や出向をする場合があります。

・担当職
⇒限定分野の定常業務を担当し、専門分野で活躍していただきます。
業務の必要に応じて、限定されたエリア内で転居を伴う転勤や出向をする場合があります。

●清水建設

・グローバル職
⇒国内・海外を問わず、グローバルにさまざまな領域の仕事をする社員。
原則として、職務および勤務地域を特定しません(将来的にも同様)。

・エリア職
⇒原則として、特定の勤務地または部門において、さまざまな領域の仕事をする社員(将来的にも同様)。

■大手ハウスメーカー

●大和ハウス工業

基本、総合職として部門別採用を行う。技術系は「設計部門・住宅系施工部門・建築系施工部門・設備生産部門」。

・To doコース(全職種)
⇒「自分が何をやりたいのか、進むべき道を決めてから入社したい」という方を対象とした事業部別・職種別採用コース。選考を通して、自分の成し遂げたいことを叶えることができる事業部や職種を選択できる。

・To beコース(営業系職種対象)
⇒「大和ハウスに興味はあるけれど、自分が何をやりたいのか迷っている」という方を対象とした事業部・職種フリーコース。社員との対話や選考を通してあなたに合った配属先を検討します。
★部門間、職種間異動は活発に行っていないが、希望する部門や職種に自ら手をあげる機会を認める制度として、「社内公募制度」・「職種選択(FA)制度」がある。

●積水ハウス

総合職(営業職・技術職)、総合企画職(総務などスタッフ部門)、地域勤務職(一般職)の区分で採用を行なっています。

「配属・転勤に関するQ&A」

Q:配属はどのように決まるのでしょうか?希望は通るのでしょうか?また、転勤はありますか?

A:当社は、全国各地に支店・営業所を有しており、全社的な事業展開や地域性、本人の適性などを考慮して配属を決定します。もちろん希望は面接などでお聞きしますが、必ずお応えできるとは限りません。転勤はありますが、“地域密着”という仕事の特性上、基本的には配属された地域でお客様の住まいづくりに携わっていただきます。積水ハウスにはあなたの力をいかんなく発揮できる場が全国規模で広がっていますので、ぜひこの大舞台に積極的に挑戦してください。

まとめ

冒頭に記入した通り、各社各様で配属を決定していますが、近年はコース制や部門・職種別採用で、入社前から配属予定やキャリアパスを示すようにしている企業が多くなっています。少子化の影響もあって、配属や転勤を気にする学生が多くなっているとよく聞きます。そのため「入社3年は東京設計部で業務を習得して、その後は出身地の支店に」という具合に、数年先までの予定を伝えている企業も多いです。

採用する側も地域区分によるエリア職採用や、オンライン面接の普及で、地域で活躍したい人材と全国・海外で活躍したい人材を分けて、それぞれ選考できるように改革しています。

配属決定は部門調整が必要になるので、「入社前」「集合研修後」が多いと思いますが、建築系は入社時研修から建築士(一級・二級)の受験対策学習を行う企業が多くなっています。入社初年度は何らかの研修を継続する企業も多いですね。

志望企業の実際は、OB・OG訪問を通して把握していくのもよいと思いますが、採用年度によってスケジュールは変更となることもあります。人事も辞令前は個別に回答することが難しい問題なので、あまり神経質すぎてもいけません。

就活では自分の思い込みだけではなく、冷静にキャリアを見つめた志望をするようにしていきましょう。入社してからが実務の始まりであり、そこから長く活躍をして人間的にも成長していくわけですからね。

また筆者の体験談ですが、仕事を通して東京、大阪のような大都市から北海道、九州、中国、東海、北陸、東北と全国を一巡してきました。地元大学を卒業して、30歳までずっと地元にいましたので、「転勤は嫌なもの」と思い込んでいたのですが、いまとなっては各地でよい思い出をつくることができて、大変良かったなと思っています。

 

(本記事は総合資格naviライター kouju64が構成しました)