【国土交通省】2026年春、建築確認でBIM図面審査を開始!【建設NEWS】

国土交通省は、2026年春にBIMで作成したPDF形式の申請図書やBIMモデルで建築確認申請を受け付ける「BIM図面審査」を開始します。これは確認申請手続を効率化するために、国土交通省がBIM普及を後押ししながら実施されます。

本記事では「BIM図面審査」の概要と導入予定などについて解説します。

BIM図面審査の概要

BIM図面審査では、申請者はBIMデータの作成等に関する「入出力基準」に基づき、BIMソフトで作成した申請図書(PDF)を、「設計者チェックリスト」およびBIMモデル(※ IFC)とともに提出します。

審査者は、「設計者チェックリスト」に基づく項目について、整合性の確認を一部省略することができ、申請図書の提出や指摘事項の応答などが、確認申請クラウド(※CDE)の使用により、効率よく行えるようになります。

出所:国土交通省 住宅局建築指導課(2024年7月)

※IFC(Industry Foundation Classes)

Building SMART International が策定する、建築業界に関する標準化されたデジタル記述のオープンな国際規格。

※CDE(Common Data Environment)

建築生産ライフサイクルにおいて設計・施工・製造・運用・維持管理など各段階の関係者が、設計・施工情報を共有し受け渡すための手続き・環境をいう。

BIM図面審査のメリット

1.申請者のメリット

・BIMソフトを使用し、整合性の高い申請図書が容易に作成できる。

・Webによる申請や指摘事項の対応ができるため、申請作業の効率化が図れる。

・審査の効率化で、審査期間の短縮化が期待できる。

2.審査者のメリット

・設計内容の容易な把握や整合性確認の一部省略で、審査作業の効率化が図れる。

・確認申請クラウドの使用で、複数人による並行作業、遠隔拠点やテレワークによる作業が可能となる。

BIM図面審査、開始準備とその後のスケジュールなど

国土交通省は2024年8月2日、BIM図面審査の方法や手順についてまとめた「建築確認におけるBIM図面審査ガイドライン(素案)」と、審査で用いるBIMデータ作成に関する基準などを示した「入出力基準・設計者チェックリスト(素案)」を公開して、関係団体を通じて、2024年9月13日期限で意見応募していました。

ここで集約した意見は、2024年10月30日に開催された「第19回建築BIM環境整備部会」で審査タスクフォースにより精査されており、2024年12月までに意見に対する回答を取りまとめて、「建築確認におけるBIM図面審査ガイドライン(案)」と「入出力基準・設計者チェックリスト(案)」の作成を目指しています。

出所:国土交通省建築BIMの社会実装に向けた取組について(2024年7月)

上図の通り、2026年春に「BIM図面審査」を開始し、2029年春には、BIMデータで確認申請をする「BIMデータ審査」を開始する予定です。「BIMデータ審査」を開始するには、建築に関わるBIMデータの正規化(標準化)が必要となります。

今後は、さらにBIM普及を加速させて、建築業界全体の生産性向上を実現するために、「設計・審査・施工・保守」の各工程でBIMデータが活用できるように取り組んでいくことになります。

 

(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)