【建築学生団体・紹介】近畿大学建築学部 建築研究会部会 Design Studio
近畿大学建築学部 KENKENから再始動した「建築研究会部会Design Studio」は建築見学や模型制作を中心にデザインで活躍する!
近畿大学建築学部 建築研究会(KENKEN)は、「建築学部生が知見を広げるべく、研究の実践を行う」を活動理念に、関西を中心に建築見学を行う学生団体でした。現在はこのKENKENから3つの大学公認学生団体が派生しています。
それはTSURiHA(ツリーハウスを建てる)、あきばこ家(空き家利活用など、まちが活きる場をつくる)、そしてKENKENが行っていた活動を継承して発展させていくのが、Design Studioです。
「建築研究会部会Design Studio」として活動を開始したのは2021年から。新型コロナの影響で一時活動休止状態にあった団体のリスタートとして、建築見学などは継続しながら、年間を通して模型作成や学内設計コンペを企画するなど、設計提案活動に舵を切ったのです。提案できる機会があれば、外部への設計提案や企画・制作も行う学生団体へと生まれ変わりました。
建築研究会部会Design Studioのすごいところ!アピールポイントやメリットなど
2024年度代表を務める近畿大学 建築学部 建築学科3年 高木詩子さんに、建築研究会部会Design Studioの「すごいところ」を3つ挙げていただきました。
・Point1:楽しみながら知識を得られる!
・Point2:どんな人でも気軽に参加しやすい企画!
・Point3:設立が浅い団体ならではの成長力!
取材時にお話しを聞いた印象と合致するポイントです。建築見学も自分だけだったら、ちょっとした興味程度ではなかなか行動に移せないもの。気軽に入会して、先輩や仲間たちとまず一緒に行動し、建築の見どころを知り、その歴史や設計の巧みさなどを知り、さらに興味が増す。
未経験から模型づくりやコンペを体験したら、またその先に向かって行ける。Design Studioで企画したり提案したりすることも体験できるし、団体としての成長も一緒に進めていきましょう!そんな気持ちが伝わってきました。
建築研究会部会Design Studioの主な活動
平常は関西圏を中心に建築見学に出向き、夏休み・春休みには合宿として、遠方まで有名建築の見学に行っています。近隣大学の学生団体と合同で活動交流をすることもあります。
1年生から4年生まで167名が在籍する大所帯となるため、イベント毎に参加を募っていますが、普段の学内活動では、特に1.2年生に設計や模型づくりを体験させる試みとして、添景づくりや学内グループコンペを実施しています。
近畿大学 建築学部で11月に開催される「生駒祭」では、建築模型を制作して展示を行うことが例年の恒例行事となっています。学内はもちろん、他大学や高校生なども多くが来場見学するので、団体の活動を知ってもらうためにも、大型建築模型を完成させるべく、夏休み明けからは集中して取り組んでいくことになります。
■定例会:近畿大学建築学部建築研究会 会室で日々活動しています。
■年間スケジュール(2024年度の例)
建築研究会部会Design Studioの活動紹介
■新入生歓迎会(4月21日)
新入生が入学すると、オリエンテーションでDesign Studioの活動内容をお知らせします。同時に新入生歓迎会への参加を募ります。2024年度は堺市原池公園にあるBBQ施設matoi(建築家 畑友洋さん設計)で新歓BBQを楽しみ、隣接する公園でレクリエーションを行いました。当日は生憎の雨でしたが、たくさんの1年生が参加してくれました。
■合同建築見学会(5月3日・兵庫県)
5月は昨年に引き続き、大阪工業大学 建築文化研究部の皆さんと、合同建築見学会を行いました。兵庫県に赴き、兵庫県立美術館(安藤忠雄 設計)や竹中大工道具館を訪問しました。見学会では、展示だけではなく、建築のディテールまで観覧を楽しみました。
■建築見学会(5月25日、26日・奈良県)
5月25.26日に奈良県の歴史建築を2班に分かれて見に行きました!建築や史跡を見学し、鹿とも触れ合って奈良を満喫しました!
■路地裏のワッフルやさん 施工(5月-6月)
例年6月はグループコンペを企画しています。例えば、2023年度は「大きな屋根の家」という課題で、1グループ5.6名のグループを編成して、1年生から4年生まで混成で設計案を考え、グループ同士で競い合います。但し、1年はまったく初めてになるので、評価で入賞などの優劣はつけずに、各グループの着眼や発想、提案を分かち合い互いに講評しました。
2024年度は、大阪府守口市にある「路地裏のワッフルやさん」から、店舗で使うカウンターの施工を依頼いただき、デザインと施工を担当しました。実際に店舗で使用される制作物を任せていただけたことに大変やりがいを感じました。
■添景づくり
添景づくりは学外イベントや、生駒祭の準備などがない時期に行っています。団体経費で購入した材料や、2.3年生が持ち寄った材料を使って、卓を囲んで、自転車や花壇、階段、ベッド、車などの添景を作成します。学校の授業ではあまり使わないような添景も、工夫すれば安価な材料で制作できることを学ぶ機会になっています。
■夏合宿(8月 石川県・建築旅行)
2024年度夏合宿は、石川県に建築旅行に行きました。30名程で貸し切りバスによる旅程です。1日目は要所を見学して、加賀温泉に宿泊し、2日目は5班に分かれて、各班が希望する建築などを見学に行きました。那谷寺(小松市)、石川県立図書館(金沢市)、21世紀美術館(金沢市・SANAA設計)、鈴木大拙記念館(金沢市・谷口吉生設計)など、多くの建築に触れるとともにメンバーの懇親が深まりました。
■生駒祭 模型制作・展示(制作9月~ 展示11月2日~4日)
近畿大学建築学部の学園祭、生駒祭では、毎年、Design Studioは模型を制作して展示します。夏合宿で金沢21世紀美術館を訪問した際に、多くの写真を撮り、細部まで確認をしてきたため、「これを造るしかない」と意見がまとまりました。現地で撮った写真の他に、設計図書や資料を求めて、大学図書館や先生にお世話になりました。添景まで拘り、1/150スケールの建築模型と、周囲を含む全景を俯瞰できるように、1/600の模型を制作しました。
■展望
学生団体の醍醐味は、学生たち自身で新しいことにチャレンジしていくことにあると思います。
Design Studioの名に恥じないように、デザイン提案を通してかたちになるものも世に残していきたいという想いもあります。2024年に実現できた「外部からの依頼による制作」プロジェクトは今後の活動のヒントになりました。
ご縁で案件をご相談いただける機会もでており、またご紹介できるのではないかと思います。
建築研究会部会Design Studioメンバー構成(2024年度)
・合計人数:167人
・学年人数: 4年18人、3年30人、2年54人、1年65人
建築研究会部会Design Studio各種情報
代表(2024年度)
近畿大学 建築学部 建築学科3年 高木詩子
代表メールアドレス : kenken.designstudio.arch@gmail.com
各種URL
・X(旧Twitter) : 公式X(@DesignStudio021)
・Instagram : 公式インスタグラム(designstudio_kindai )
※本記事に掲載した図版・写真は、近畿大学建築研究会部会Design Studio提供によるものです。
(本記事は、総合資格naviライター kouju64がインタビュー取材を行い、記事構成しました。)