建築学生の日常               ~近畿職業能力開発大学校4年~

近畿職業能力開発大学校/建築施工システム技術科4年


Q1)建築を志したきっかけと現在の大学に進もうと思ったきっかけ

「頑張る人が活躍する場」をつくりたい

「頑張る人が活躍する場」を作るという目標を達成するため、実践的な実習を多く行い施工管理を学ぶことができる現在の学科を選びました。数多くある建築の分野で、施工管理を学ぼうと考えたきっかけは高校時代の部活動でした。

高校では演劇部に所属し、大道具のチーフを担当しました。大会で公演する台本を読み込み、自分なりの解釈と演出・舞台監督の解釈を擦り合わせ、演者が動きやすく使いやすい且つ、演者を魅せる大道具を製作しました。

その経験もあり建築業界で頑張る人が活躍する場を作りたいと思うようになりました。

在籍中の学校では、実務に近い実践的な実習だけでなく、特別教育等の資格にも力を入れている点も魅力的でした。

 

Q2)好きな授業とその理由

RC造施工管理課題実習

自分たちで一から型枠・鉄筋の加工を行い、建て込みを行って打設検査まで行う授業です。実践的なRC施工を学習でき、打設や検査のプロセスを学べることから、就職後にも役立つ授業となっています。みんなとひとつのモノをつくり出せる達成感のある授業でした。

 

Q31週間の大まかなスケジュール

月曜日 7時起床 1~4限授業 資格勉強 12時就寝

火曜日 7時起床 1~4限授業、資格勉強 12時就寝

水曜日 7時起床 1~2限授業 資格勉強 12時就寝

木曜日 7時起床 1~4限授業 ゼミの研究12時就寝

金曜日 7時起床 1~4授業、5時~9時までバイト 12時就寝

土曜日 7時起床 資格勉強 12時就寝

日曜日 7時起床 資格勉強 7時就寝

 

Q4)設計課題等で作成したもの

総合制作という授業で作成した住宅

「残り続ける住宅及び周辺地域の設計」というテーマでArchiCADを用いて作成したものです。日本の伝統的な建築物の周辺に明治の西欧化や戦後の欧米化、現代化の影響を受けた建築物が交じり合い建っていることで景観が混雑しており、私は歴史的建築物と住宅の境界のギャップがあることで観光者の満足度の低下や景観保護意識の低下に繋がっていると感じました。また境界に意味を持たせることで歴史的建築物と景観の保護に繋がると考え、その一つとしてファサードに注目して住宅を残していく必要があると考え。そこで日本で残り続ける伝統建築を主軸とし、世界の魅力ある歴史的建築及び現代建築の建築的要素を分析し取り入れ、残り続ける住宅及び周辺地域を提案し設計することを目的として制作しました。

 

Q5)大学に入って大変だったこと

実習が多い。他大学より休みがない。

1週間のスケジュールをみてわかる通りの日程が4年間続きます。授業は履修登録制ではなく固定のカリキュラムなので勉強しなくても良いと思う授業でも受けなければいけません。また出席8割を割ってしまうと未履修となり、一つでもあると卒業できません。冠婚葬祭および病欠・就職活動でも公欠扱いになりません。そこが一番大変です。

 

Q6)これから建築を志す後輩へのメッセージ

よく調べたうえで、あきらめないでください

建築分野は厳しい業界、勉強することが多い分野です。設計職は難関資格である一級建築士取得は必須であり資格学校で多くの費用を要することはよくある話です。また設計職は大手ゼネコンや大手組織設計以外は安月給で、しかも大手に入れるのは一握りです。就職には多くの勉強と建築的感性を身に着ける必要があります。施工系の職業でも厳しい野外の環境で建設作業する仕事です。こちらは給料自体はよくやりがいはありますが、一般的なきつい仕事はたくさんあります。ほとんどの建築学生は現場に関係ある仕事をすることになると思います。それでもあきらめることなく、周りに流されることなく自分の夢や目標のために頑張ってください。あきらめなければ大手ゼネコンに入ることも、初学で1級建築士の学科に合格することもできます。自分の進む道をしっかり、理解したうえで頑張ってください。

 

Q7)将来の夢

「頑張る人が活躍する場」

高校から一貫している「頑張る人が活躍する場」をつくることです。劇場で演技する人、オフィスビルでプロジェクトをプレゼンする人、物流倉庫でインフラを支える人、建築物をつくる職人の現場、これらの人の活躍の場をつくり支える仕事が施工管理だと考えています。その手助けをすること、人生の思い出となる活躍の場をつくることが私の夢です。

 

Q8)今考えている事や伝えたい事

就職活動やその後のキャリアプランをイメージしながら勉強、資格取得、就職活動、遊びを頑張ってください。キャリアプランはすぐに確定しないものですし、環境や小さなきっかけでガラッと変わってしまうものですが、先を見据えることが大切です。時には周囲に流されることも大事ですが、芯をもって頑張ってください。