【建築学生団体・紹介】京都建築学生之会(Diploma×KYOTO´25)

【速報】あの「Diploma×KYOTO」を主催する歴史ある学生団体、京都建築学生之会!Diploma×KYOTO´25開催終了翌日に取材しました!

京都建築学生之会は、京都の大学で建築を志す学生有志によって1989年に発足しました。学内における普段の設計課題や研究活動とは別に、学生が大学の枠を超えて集い、学生自らの意思で企画・運営する会です。発足から36年経過し、参加大学は京都から近畿圏全体に広がり、建築を通してより一層多くの人たちとコミュニケーションを図ることを目的とし、精力的に活動を続けています。

そして、京都建築学生之会が年間を通して準備をすすめ、毎年2月に開催している合同卒業設計展 Diploma×KYOTO!

今回、京都建築学生之会に取材いたしましたのは、2025年2月22日から24日まで、3日間に渡って開催されたDiploma×KYOTO´25の閉会翌日のことでした。開催の余韻も冷めない中でお聞きした、京都建築学生之会の活動報告とDiploma ×KYOTO´25の開催速報!

いまだ本年度の卒業設計展開催が続くこの時期だからこそ、日本最大規模の卒業設計展開催への軌跡を、より早く全国の建築学生と分かち合いたい!それが本記事のテーマです!

Diploma×KYOTOとは?全国から注目される、その規模と運営!

京都建築学生之会は、設立初年度より合同卒業設計展を開催しており、過去には「京都六大学卒業設計展」と題していました。

2006年度からは幅広く近畿圏から有志を募る方向で組織を改めました。それには近年の大学卒業設計展への注目度の高まりと、社会的な建築への関心、学生自身の意識向上が大きな原動力となりました。

京都建築学生之会の会員は全員が大学4年生です。そして全員が卒業設計を選択しており、全員が卒業設計作品をDiploma×KYOTOに出展します。そして全員がDiploma×KYOTOの企画・運営を担い会場でプレゼンをします。

本年度の会員は近畿圏25大学から募った有志186名!自らの卒業設計を自ら運営する卒業設計展へ出展し、企画も運営も会員の総力で行う!作品を審査講評いただくのは、自分たちが希望して登壇をお願いした、尊敬と憧れの建築家や専門家たち。会期3日間を通して、一日の休みもなく毎日異なるコンセプトと多様な評価軸で展開される公開審査会。会場で毎日行われる渾身のプレゼンテーション!寒いはずの2月に会場が熱い!それがDiploma×KYOTO´25です!

京都建築学生之会のすごいところ!アピールポイントや参加するメリットなど

2024年度代表を務める武庫川女子大学 建築学部 建築学科 4年 前橋彩歌さんに、京都建築学生之会の「すごいところ」を3つ挙げていただきました。

・Point1:関西の建築を学ぶ大学4年生が自らの卒業設計を行ないながら企画運営を行う!

・Point2:卒業設計展は選出されないと展示やプレゼンを行うことができないが、Diploma×KYOTOはすべての出展者にプレゼンと展示をする機会が与えられる!

・Point3:出展者が企画運営も行うことで、自分が評価してほしい建築家をゲスト審査員として呼べる!

毎年4年生有志の応募で組織されるのが京都建築学生之会です。初めて大規模イベントを運営していくことは大変なものですが、前年度委員からの引継ぎや後押しで幹部学生36名を決定し、役割毎に使命や課題を理解して、志も新たに出展者の募集開始と組織化が進む体制に感銘を受けました。

取材でお聞きした代表、副代表の話から、先輩方により永年続いてきた卒業設計展の伝統を守る気持ちと、自分たちならではの新しい企画や試み、デザインを取り入れて行こうとする先取の姿勢、そして成功に欠かせない期限管理やルール厳守など全体への徹底力!この組織力がDiploma×KYOTOを支えてきたように感じました。

京都建築学生之会の主な活動

『Diploma×KYOTO´25』は学生が主体で運営する合同卒業設計展です。本展では卒業設計の作品展示に伴い、建築家だけではなく、大学教授や他分野のゲストによる作品講評会、ディスカッションを行います。それに基づく活動として、Webを利用したコミュニケーションや様々なメディアに情報を掲載し、プレ企画としてポートフォリオ展や建築家による講演会を行ないます。

■定例会:年3回全体会議、月2回幹部会議を実施しています。会場は総合資格学院梅田校や京都校の教室をお借りしたり、繁忙期はオンライン開催も併用したりしています。

■年間スケジュール(2024年度の例)

京都建築学生之会の活動紹介

■出展者募集開始(4月下旬)

京都建築学生之会は、Diploma×KYOTO開催終了後も開催結果を踏まえた反省点を抽出し、次年度引継ぎ事項をデータ化するなど動いています。加えて、書籍班は総合資格で発刊される作品集の制作に関する活動を進めています。

さらに重要なのがDiploma×KYOTO´25に向けて幹部会が立ち上がることが必要です。これらを踏まえた活動が3月、4月、5月と動いていくのです。全員4年生なので、学部卒業後に就職していく会員もいるため、大学院に進学する学生からの橋渡しの動きが重要になっています。京都建築学生之会の組織(班構成)は下図のようになっています。

■出展者決定 5月

Diploma×KYOTO´25の出展者応募条件は、「出展者=京都建築学生之会会員として企画運営を担う」ことになります。5月1日から5月14日迄に申込登録を行い、5月19日(日)開催の全体会議に参加することを条件に募集を行ないました。

また所属班について、申込時に第3希望までを申告してもらい、その希望をもとに班への配属を決定していく仕組みとなっています。先輩幹部から、申込登録者への声掛けがあり、代表、副代表や学校代表はじめ各班長など36名の幹部が決定しました。幹部は月2回の幹部会議に参加したり、各班でリーダーを務めたり、Diploma×KYOTO運営の中枢を担います。

■ゲスト審査員投票・テーマ決定

6月5日、第2回幹部会議を開催しました。対面で行う初めての会議です。各班の進捗や今後の予定を共有しました。6月13日には第3回幹部会議を開催、進捗確認と企画調整、ポートフォリオ展の調整などを進めました。このように幹部会は月2回実施が定例となっています。

ゲスト審査員は希望を投票して候補選出をしていきます。大会テーマも同様にコンセプト案の投票を行い、案が決まってからも内容や文章表現を精査して詰めていきます。全員が掲げる大会テーマに妥協は禁物。決定した2025年テーマは下記の通りです!

■VIコンペ

VI(ビジュアルアイデンティティ)もコンペで決定し、ロゴデザインや使用カラーなども今期大会に相応しいものを選びました。

7月幹部会議は、第6回会議は対面で行い、第7回会議はオンライン実施でした。

■ゲスト審査員決定

投票による審査員候補にゲスト班から打診と依頼を進めてきましたが8月に審査員が決定をしました。内部共有しつつ、急な変更の可能性も予測して一般公開は本展開催3カ月前を予定していました。

■全体会議

9/28(土)キャンパスプラザ京都で第2回全体会議を行いました!

各班の進捗状況や、全体での共有事項などを確認し、本展に向けて準備を進めていくことになりました。

■トレーナーデザイン決定

10月には本展で着用するトレーナーのデザインが決定しました。出来上がりが楽しみです。

10月幹部会議ではスピンオフ企画のポートフォリオ展や講演会について進捗確認しました。これらイベントの情報公開を控えて着々と事前準備を進めています。

■スピンオフ企画・11月PF展(ポートフォリオ展)と12月講演会

恒例となった「ポートフォリオ展」は出展者のポートフォリオを「これまで私たちがたどってきた軌跡ともなる作品集」として会場に展示して閲覧可能とした催しです。

多くの建築学生に見てもらうため、学園祭で展示を行う企画としていました。展示会場では卒業設計やDiploma×KYOTOに興味を持っていただき来場を促進します。

ポートフォリオ展は、神戸大学六甲祭(11/9-10)と京都大学11月祭(11/20-23)の2会場で開催しました。

講演会「建築のこれから」は建築家 藤原徹平氏と湯浅良介氏をゲストとして招き、キャンパスプラザ京都で、『学生時代にどんなことを考え、建築にどのように向き合っていたのか…!』を主題に熱く語っていただきました。講演いただいたお二人には、本展ゲスト審査員もお願いしています。

11月前半の幹部会議では、開催直前となったポートフォリオ展をメインに、後半会議は講演会と本展の準備について確認を行いました。

本展開始3カ月前となり、11月27日からゲスト審査員の情報公開を開始しました。

■プレクリティーク

今期は12月にプレクリティークを企画して実施しました。時期的に卒業設計も終盤を迎えていますが、プレクリティークとは、Diploma×KYOTOに登壇予定のゲスト審査員に自分の卒業設計を現状で見ていただき、指摘や助言を仰ぐものです。

大変忙しい中で、DAY1のゲスト審査員中心に講師を引き受けていただきました。プレクリティークを受けた出展者は得ることができた指摘や助言を励みにして、卒業設計提出に向けて、ブラッシュアップを進められるよう身が引き締まりました。

12月10日には、最後の対面会議で第15回幹部会議を行いました。いよいよ卒業設計が佳境に入るため、これ以降はオンライン会議で打合せを進行していくことになりました。

12月27日にオンライン全体会議を行い、本展当日スケジュールなどの共有を行いました。

■ポスター/本展まで1か月!

大学により卒業設計提出日や発表日はスケジュールが異なります。着実に本展準備を進行しながら、学内では卒業設計に最後まで取組み、納得がいく評価を得ることがとても重要です。この時期は根を詰めて卒業設計に向かい、自分と闘う毎日です。

同時にDiploma×KYOTO´25の告知も進めていく必要があります。気がつくと本展まで、後1カ月!今年も関西の建築学生、約200名の4年間の集大成が京都に集まります!

■速報!Diploma×KYOTO´25が開催されました!(2025年2月22日(土)・23日(日)・24日(月・祝))

本年度も2月22日から3日間に渡り、京都市勧業館みやこメッセで、Diploma×KYOTO´25が開催されました。

毎年、企画・運営に合わせて会場レイアウトも工夫を凝らします。これも一つの作品!本年度の自信作!会場フロア図をご覧ください!

会場では本年度の新企画として、マルシェの出展とワークショップを開催しました。

Day1、Day2、Day3の結果について速報します!

■Day1

Day1は建築家・大学教授の方々9名と学生によるディスカッションを行います。

審査員9名に対して出展者を9グループに分けて、1タームあたり5~6名が順番にプレゼンを実施します。これを第1タームから第4タームまで行い、ディスカッションを実施する方式です。

 

実際のディスカッションの様子です。

当日先生が選んだ作品に授与される先生賞の入賞結果です。

入賞された皆様はおめでとうございました!

Day1ではゲスト審査員が選ぶ賞以外に、学生企画賞を設けて投票選出しています。多様な評価観点をもとに入賞を決定した諸作品をご覧ください!

■Day2

Day2はアトリエ・ゼネコン・組織設計などの建築家の方々5名による講評会です。

審査員巡回による1次審査からファイナリスト8選を選出し、2次公開審査で入賞を競います。8選と入賞作品をご覧ください。

審査員賞5作品は下図の作品が入賞しました。

■Day3

Day3は建築家に留まらず、建築に関わる幅広い分野の方々5名による講評会です。

Day2同様、審査員巡回による1次審査から、ファイナリスト8選を選出し、2次公開審査で入賞を競います。8選と入賞作品をご覧ください。

審査員賞5作品は下図の作品が入賞しました。

最終日は協賛企業からスポンサー賞が授与されました。また来場者投票による来場者賞1点が発表されました。

3日間に渡るDiploma×KYOTO´25は、1000人を超える来場者が集まり、大変盛況のうちに2025年2月25日までで全予定を無事に終了し閉会しました。

本記事では開催終了翌日時点の速報として、審査結果を取り上げていますが、間もなく公式ホームページ上でも審査結果をはじめとした公式な報告が掲載されますので、ぜひご覧ください。また書籍班により、総合資格が出版する作品集が制作準備に入っていきます。発刊を乞うご期待ください!

京都建築学生之会のメンバー構成(2024年度)

・合計人数:186人

・学年人数:4年186人 (全員が4年生です)

京都建築学生之会各種情報

代表(2024年度)

武庫川女子大学 建築学部 建築学科4年 前橋彩歌

代表メールアドレス : diplomaxkyoto.25@gmail.com

各種URL

・ホームページ :公式ホームページ

・Instagram : 公式インスタグラム(diploma_25_ )

・X(旧Twitter) : 公式X(@25_dxk)

・YouTube : 公式YouTubeチャンネル(@diplomaxkyoto25)

※本記事に掲載した図版、写真は、京都建築学生之会提供によるものです。

(本記事は、総合資格naviライター kouju64がインタビュー取材を行い、記事構成しました。)