
特集【17】安藤ハザマが建設現場向けデジタルツインプラットフォームを運用開始!【建設DX】
安藤ハザマは2025年4月10日、WorldLink&Companyと共同で、建設現場向けデジタルツインプラットフォームを開発したと発表しました。現在施工中の大規模造成工事で運用を開始し、施工管理業務での有効性を確認したものです。
今回開発したプラットフォームは、点群データをベースに仮想空間を構築したことで現場の変化を3次元的に捉えることができ、工程情報と連携させて施工の進捗率や今後の進捗を予測して利用者に提示するなど、施工管理の省人化・省力化を支援するツールとして活用できるものです。
出所:安藤ハザマプレスリリース
有効性を検証するため敷地造成工事現場に新技術を導入
安藤ハザマは新技術の有効性を検証するため、実際の現場にこのプラットフォームを導入しました。
この現場は掘削で発生した土砂を重ダンプで場内運搬して盛土する敷地造成工事現場で、施工中に地形が大きく変化することに加えて、重ダンプとの接触事故防止のため他の現場車両の往来を制限しており、現場内移動に多くの時間を要することが課題になっていました。
出所:安藤ハザマプレスリリース
デジタルツインプラットフォーム導入の効果
デジタルツインプラットフォームを導入した結果、現場所長や職員が遠隔地から現場状況を詳細に把握できるようになり、現地への移動にかかる時間を1回あたり約80%削減することができました。
また、毎日の作業打ち合わせでは、元請職員と協力企業の職長がデジタルツインを通じて最新の現場状況を共有し、作業調整や指示を詳細かつスムーズに行えるようになったことで、作業内容の理解度が向上し、手戻りや事故の防止につながりました。
出所:安藤ハザマプレスリリース
さらに、日々変化する現場の地形を適時デジタルツインの仮想空間に反映するため、自動運用型ドローンや職員が持つスマートフォンを利用した自動データ取得システムを構築しました。
各デバイスによる計測からデータ生成、仮想空間での可視化、解析までのフローを自動化しており、わずかな操作を行うだけで、手間なくデジタルツインを活用できます。
これにより進捗管理や現場確認、作業打ち合わせのための計測業務を従来比80%程度削減することができました。
出所:安藤ハザマプレスリリース
このデジタルツインプラットフォームは、現場の点群データから土量の変化(出来形)を自動算出し、施工実績を管理するだけでなく、現在の進捗率から今後を予想して、工程に遅延が見込まれる場合は該当工種を視覚的に強調して対応を促すなど、リスク管理にも活用できます。
職員は土工事の日々の数量管理や進捗率を簡便に把握できるため、従来多くの時間を要していた業務の負担が軽減され、安全管理や施工検討に注力することができるようになりました。また現場所長や工事主任は工程全体を俯瞰して進捗状況を把握できるため、遅延リスクなどへ迅速な対応が可能となりました。
下図はデジタルツインプラットフォームのダッシュボード画面です。
出所:安藤ハザマプレスリリース
まとめ
国土交通省が推進する「i-Construction2.0」でも、デジタルツインによる施工計画や現場データ共有基盤の整備が今後10年程度のロードマップとして示されており、今後、ますます活用されていくことが望まれていますが、安藤ハザマでは、このデジタルツインプラットフォームをトンネル工事やシールド工事などの他工種にも適用範囲を拡大し、建設現場で幅広く活用できる汎用的なデジタルツインプラットフォームを構築していく方針です。
(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)