【建設学生団体・紹介】東北大学都市・まちづくり研究会

東北大学都市・まちづくり研究会は、まち歩き(FW)を通して、まちの魅力を知る活動をしているサークルです!

東北大学文科系準加盟団体 都市・まちづくり研究会(としけん)は、「まち歩き」をメインにさまざまな学部の部員が活動しています。日頃は宮城県や仙台を中心に、夏休みや春休みは、日本のいろいろなまちに遠征して、まち歩き(FW=フィールドワーク)をします。まちの魅力を知る活動は、簡単にいうと小旅行サークルみたいな感じですが、楽しみながら、都市・まちづくりを考える習慣が身につきます!

東北大学都市・まちづくり研究会のすごいところ!アピールポイントやメリットなど

2024年度代表を務める東北大学工学部建築・社会環境工学科2年 新山慶悟さんに、東北大学都市・まちづくり研究会の「すごいところ」を3つ挙げていただきました。

・Point1:学部・先輩・後輩の垣根を越えて、まちづくり・地理・地学・建築について探求できる!

・Point2:学祭出展を通して、来場された方々と一緒にまちづくりの面白さを共有できる!

・Point3:地域で行われるイベントに参加することで、地域の活性化にも貢献できる!

毎年、学部・学年を問わずメンバーを募集していますが、部員は工学部建築・社会環境工学科と、理学部地球科学系の学生が多くなっています。そこで、まち歩きのアプローチもまちの歴史や地理、地学、建築について事前に情報を調べて、実際に確認しながらまちを巡り、今後のまちづくりを考えています!

東北大学は他県から入学してくる学生が多くなっていますが、入部すると、宮城・仙台のまちについては、すぐに詳しく知ることができると思います!

東北大学都市・まちづくり研究会の主な活動

毎週の定例会と、1~2カ月に1回行うフィールドワーク(FW)、そして夏休み・春休みに行う遠征(合宿・旅行)が恒常的な活動です。そのほか10月には東北大学祭への出展、みやぎの・まつりでのボランティア活動など、イベント参加や、不定期ではありますが、都市・まち系外部団体との交流や会議参加も行っています。

その活動は「ブラタモリ」のような地理的なまち歩きから地域のイベント参加まで、都市やまちづくりに関する活動を幅広く行っています!

■定例会:週1回 川内北キャンパスC棟教室に集合して実施

■年間スケジュール(2024年度の例)

東北大学都市・まちづくり研究会の活動紹介(2024年度)

■新歓イベントスケジュールについて 4月

4月といえば新入生の入学。東北大学では川内北キャンパスで、東北大学新歓実行委員会が主催するSpring Festivalが開催されます。多くの企業様に協賛いただき、新入学生に対して、学友会に所属する部活やサークルが合同で行う学内最大規模の新歓イベントで、部活の出展やアトラクション、くじ引き大会などの催しが開催されます。本年度Spring Festivalは4/13(土)、14(日)に開催されました。

都市・まちづくり研究会はもちろんSpring Festivalで新入生に向けた展示やイベントを行ないますが、この日は活動紹介が中心。活動の魅力を知ってもらうには、実際に部活に参加して体験していただくのが一番です。そこで下図のように新歓スケジュールを組み、新歓定例会(説明会)と新歓FWの参加募集を行ないました。

■新歓FW ・4/7仙台市街FW、・4/21仙台東口・若林FW

第1回新歓FWは、4/7(日)に開催しました。厚生会館前に13:30集合で、仙台市街を2.3時間まち歩きする活動を行いました。大学入学で初めて仙台にきた学生には、中心市街地の様子がわかり大変好評でした。下図は、定例会やSpring Festivalで配布した新歓FWの案内告知チラシ等です。

第2回新歓FWは仙台東口・若林FWとして、4/21(日)に開催しました。当日は仙台駅東口のアンパンマン像付近に集合。毎回FWでは経路に沿って、見どころとなる建築や道路の特徴や地域の歴史、地理・地学的な要点をまとめた「しおり」を配布して、参加者がまち歩きをしながら、しっかりと確認ができるように準備をしています。仙台東口・若林FWの見どころは下記の通り充実した内容でした。

1.髙惣木工ビル(主要部材に木材を使用した珍しい純木造中高層建築)

2.初恋通り・鹽竈神社・藤村広場(仙石線跡地整備事業の一環で生まれた、詩人、作家である、島崎藤村ゆかりの場)

3.榴岡天満宮(菅原道真を祀り、学問成就、子宝安産、道中安全祈願に最適)

4.二十人町石碑

5.榴岡公園(仙台市民憩いの公園)

6.仙台市歴史民俗資料館(県内最古の洋風建築)

7.段丘崖と断層(長町-利府線断層帯)

8.楽天モバイルパーク(宮城球場)

9.宮城野貨物駅ターミナル

10.国重要文化財 薬師堂(聖武天皇により740年に建立された、仙台市内最古の寺)

■FW(フィールドワーク・まち歩き)について

長期休みに行う「遠征」とは別に、1~2カ月に1回行うFWは基本的に日帰りで数時間のまち歩きをします。毎回、学びが多いFWを目指していますが、季節も考慮して、メンバーで楽しいひと時が過ごせるように経路を選択しています。プロジェクトとして、部員同士で全員に喜ばれる企画を準備するのも活動のポイントです。

例えば、6月FWでは「あやめまつり」が開催されるタイミングで、屋台巡りが楽しめる、多賀城FWを企画しました。JR国府多賀城駅南口に集合し、東北歴史博物館を観覧して多賀城跡へ。多賀城南門やあやめ園を見学して、多賀城廃寺や多賀神社、東北学院大、多賀城市立図書館を見学する企画でした。

下図は、当日の「多賀城FWしおり」です。写真などの権利関係やスペースの都合で、全ては掲載しませんが、1頁目のみを掲載いたします。

12月は仙南FWとして、朝からレンタカーを借り、宮城県南部へ行きました。阿武隈川河口の荒浜堤防や汽水湖の鳥の海を見学。東日本大震災では甚大な津波被害を受けた地域です。現地の地理的条件や震災後の復興状況を観てきました。

角田市に足をのばし、江尻排水ポンプ場を見学した後、スペースタワー展望台から市内の景観を一望しました。丸森に向かい、大正ロマンあふれる斎理屋敷を見学しました。丸森は2019年の東日本台風で氾濫被害を受けましたが、復興と合わせたまちづくりを確認するのも訪問目的でした。

■夏遠征(新潟遠征・9月3日~5日)

夏遠征は都市・まちづくり研究会が行う活動で、最大の醍醐味!2泊3日で行う合宿旅行です。2024年の夏遠征は23名の部員で新潟県に行きました。

初日は各自移動で現地集合。ホテルに荷物を預けて、新潟駅前万代広場からFWをスタートしました。新潟駅駅前広場整備事業が進行中で、2026年完成予定ということもあり、再開発の様子を間近で見ることができました。そのまま萬代橋(国指定重要文化財)へ。初代萬代橋跡に設置された「新潟市と橋梁の歴史」を確認した後、3代目萬代橋を渡りました。美しい近代のアーチ橋を何度も振り返って写真をとる部員の姿が印象的でした。次は、日本の都市公園100選にも選ばれている白山公園へ。公共建築や庭園、神社が一体となっている場所でした。特に新潟市民芸術文化会館あたりは、空中庭園にもなっていて仙台にはなかなかない面白い空間でした。その後、旧斎藤家別邸を回り、日没前に、最終目的地、寄居浜に到着しました。日本海側だからこそ見える、「海に沈む太陽」はやはり感動もので、佐渡島に太陽が沈んでいき、佐渡に後光がしているような景色でした。

2日目は佐渡島に向かう「佐渡組」と弥彦神社ほかに向かう「弥彦・寺泊組」の二班に分かれて行動しました。

最終日は新潟から越後平野を貫流する信濃川の水量調整を行う放水路の一つ、大河津分水へ。信濃川大河津資料館に入館して展示資料を確認しました。午後は長岡へ向かい、長岡駅周辺をまち歩きしました。

夏遠征では、普段以上に、各地で地理・地学・歴史・建築を余すことなく観覧して回り、ご当地グルメを堪能した、あっという間の3日間でした。部員で分担したレポートを公式ホームページ(note)に掲載していますのでぜひご覧ください。

夏遠征の旅程と現地で撮影した写真を掲載いたします。

■東北大学祭 出展(10月25日~27日)

東北大学では2024年10月25日から27日にかけて、第76回東北大学祭が開催されました。都市・まちづくり研究会は、昨年に引き続き教室企画に出展しました。

今回、部員で考えた出展テーマは、「あつまれまちづくりの杜」!

出展内容は来場者に楽しく参加いただける新企画を含めた3大企画を実施しました。

1.オリジナルまちづくり

今年度初の試みであり、目玉企画となるのが「オリジナルまちづくり」です。仙台の地形を立体的に再現した巨大なジオラマ模型の上に、来場者の皆様に「ここにこんなのがあったらいいな…」と思うものを作っていただくのがこの企画です。

色紙を切り取ったものに建造物の名前などを書いて、理想の場所に貼ってもらいました。中には具体的なイラストを描いてくださったり、色紙で立体的な造形物を作ってくださったりした人もいました。建物に限らず、新たな交通網の誕生などもあり、皆様の理想が集まってまちがどんどん発展していく様子を見る面白さもある企画でした。

この企画で用いた立体模型は、夏休み中から部員で作り上げたものです。細かな地形まで再現するため、多くのパーツが必要となり、制作にはかなり時間がかかりました。

2.仙台ミドコロマップ

次に紹介するのは、昨年からの継続企画である「仙台ミドコロマップ」です。今年も来場者の方々が考える仙台(+仙台周辺)のミドコロをたくさん挙げていただきました。ミドコロだと思うスポットをA1サイズの地図上に落とし込み、さらにその説明やそこでのエピソードを寄せてもらいました。

美味しい飲食店や絶景スポットなど、ミドコロスポットの種類は様々。長らく仙台に住んでいる方々からは、私達も知らないような興味深いスポットを挙げてくださいました。 また、来場者の中には仙台に初めて来たという人もいましたが、他の人が挙げていたミドコロを見て、「この後行ってみない?」と一緒に来ていた方と話していた場面もありました。

3.ポストカード展示・販売(としけんオリジナルのポストカード!)

昨年度好評だったポストカード販売を引き続き行いました。今年販売したのは、仙台駅西、東西線、定義、日和山、東照宮の5種類。いずれも写真撮影に精通した部員が、現地で実際に撮影したものです。裏面には部員による解説文つきです。

壮大な新企画を計画したこともあり、部員もどうなるかわからないまま学祭を迎えましたが、当日は年代を問わず多くの方々に楽しんでいただくことができました。

■みやぎの・まつり2024にボランティア参加(2024年10月20日(日))

みやぎの・まつりは、榴岡公園を会場に平成元年(1989年)から開催されている、宮城野区を代表する区民手作りのおまつりです。

2024年は10月20日(日)に「第34回みやぎの・まつり」が開催されました。会場には飲食店やイベントブース、移動図書館、アトラクションなど様々な展示が行われますが、外部委託をほぼせず地域の人々の協力で運営されている、まさに地域に根差した活気あるお祭りなのです。

都市・まちづくり研究会は、創設時からみやぎの・まつり実行委員会長が所属するMUPP(宮城野アッププロジェクト)とご縁があり、今回もボランティア参加して「親子ふれあい教室」の運営を任されました。

親子ふれあい教室

子どもたちと一緒にプラ板制作をしました!プラスチックの板に絵を描いて、それを熱して硬くすることでキーホルダーなどに加工します。部員が子どもたちのサポートをする形でお手伝いさせていただきました。みんな楽しく作っていて、和気あいあいとした雰囲気でした!

当日は天候にも恵まれ、仙台市によると、約25,000人の方が来場されたそうです。

■春遠征(2023年:静岡遠征・2024年:神戸、淡路島・予定)

春遠征は、春休みに2泊3日で出かけるFW旅行です。

2024年度は、兵庫県遠征で神戸市、淡路島を訪問する計画を練っています。行く先を決めた理由は、兵庫に多くある安藤忠雄さんの建築見学や、阪神・淡路大震災から30年を迎えた2025年に、当時、被害があった街や建物、高速道路などが復興した後の状況を確認し、震源地となった六甲・淡路島断層帯の野島断層などを確認するためです。

本記事では、昨年度、2024年3月19日から21日に掛けて実施した静岡遠征の旅程や写真を紹介します。

東北大学都市・まちづくり研究会メンバー構成(2024年度)

・合計人数:56人(男性:49人、女性:7人)

・学年人数:M2:1人、M1:4人、4年4人、3年10人、2年15人、1年22人

東北大学都市・まちづくり研究会 各種情報

代表(2024年度)

東北大学工学部建築・社会環境工学科2年 新山慶悟

代表メールアドレス : s.toshiken@gmail.com

各種URL

・ホームページ:公式ホームページ(note)

・X(旧Twitter):公式X(@toshikentohoku)

・Instagram : 公式インスタグラム(toshiken.tohoku)

※本記事に掲載した図版、写真は、東北大学都市・まちづくり研究会提供によるものです。

(本記事は、総合資格naviライター kouju64がインタビュー取材を行い、記事構成しました。)