特集【4】建設コンサルタントの仕事とその魅力について【建設知識~土木編~】

建設コンサルタントの役割と魅力

国や地方自治体は社会資本整備事業を進めています。社会資本とは、道路や河川、上下水道、電気など私たちの生活に欠かせないもので、一般的には「インフラ」とも言われています。

これらの建設は公平性・透明性の観点から「設計・施工分離の原則」により、設計と施工を別の事業者で分担することがルール化されてきました。

社会資本は多岐に渡り、計画的に整備事業を進めていくには、調査結果から将来を予測する分析力や、高い専門知識が求められます。建設コンサルタントは独立した責任ある立場で、発注者に対して技術的な提案を行ないます。

具体的には企画構想から基本計画策定を行ない、事業者の企画立案・計画策定を支援します。調査・設計を通して整備方針が決まれば、建設コンサルタントが詳細設計を行い、事業者はその設計に基づいて、建設会社に工事を発注します。

建設コンサルタントは、工事の際に、建設会社の施工を管理する役割を担い事業者を支援します。

工事完了後も維持管理をしていく必要があります。建設コンサルタントは定期的な施設点検を行い、修繕や長寿命化計画などを策定して事業者に助言していきます。

建築設計事務所の役割にも似ていますが、社会資本整備事業の、ものつくり以外のこと、例えば都市・まちづくりの計画策定や景観保護、防災計画や都市交通など、地域の特性や抱えている課題をとらえ、土木建設の幅広い技術と知見で解決策を導き出し、将来に渡って安全で快適な毎日を支えられるようインフラをプロデュースします。

建設コンサルタントの仕事の魅力は「街や人の未来を考え、人々に幸せをもたらす夢のある仕事」であることや、「暮らしに役立ち、社会から求められる仕事」であることにあり、社会貢献性の高い仕事であるといえます。

下図は、「社会資本整備の流れ」を図示したものです。

 

建設コンサルタント登録制度について

国土交通省は「建設コンサルタント登録制度」を設けており、建設コンサルタントを営む者が、一定の要件を満たした場合に、国土交通大臣の登録が受けられる制度としています。

登録の有無に関わらず、建設コンサルタントの営業は自由に行うことができますが、登録することにより、高い技術力の証明になるため推奨されています。登録要件は下記の通りです。

【登録要件】 ※国土交通省が定める内容をそのまま掲載しています。

1.登録を受けようとする登録部門ごとに当該部門にかかる業務の技術上の管理をつかさどる専任の者(以下「技術管理者」という。)を置く者であること。

技術管理者は、原則として各登録部門に対応した選択科目で技術士法による第二次試験に合格して同法による登録を受けている技術士であることが必要です。なお、技術管理者は常勤し、その業務に専任する必要があります。

2.財産的基礎又は金銭的信用を有する者であること。

(1)法人の場合は、資本金が500万円以上であり、かつ、自己資本が1000万円以上である者

(2)個人の場合は、自己資本が1000万円以上である者

下図は「建設コンサルタント登録部門(全21部門)」を一覧としたものです。

建設コンサルタント「大手5社」について

国土交通省が令和6年9月に公示した「建設関連業 登録業者数調査」によれば、令和6年3月末現在、建設コンサルタントの登録業者数は3,932業者となります。前年に対して、新規登録と廃業がほぼ同じ数値となりましたが、登録業者数はこの10年間、ほぼ横ばいとなっています。

登録部門を網羅した大手企業から、単一部門を専門的に行う個人業者まで規模はさまざまですが、ここでは例年新卒採用を積極的に行っている「大手5社」を紹介します。

総合資格naviオリジナルで特徴などをまとめた図表を掲載いたしますのでご確認ください。

 

(本記事は総合資格naviライターkouju64が構成しました)