カテゴリ
フリーワード
特集【8】建設ロボットが階間を自在に移動する新システム「T-MoveX」大成建設・三成研機が共同開発【建設DX】
大成建設は三成研機と共同で、建設現場における建設ロボットの階間移動システム「T-MoveX」を構築し、新システムの主要技術である、建設ロボットの仮設エレベーター「ROBOERE(ロボエレ)」と、ドローンの移動専用シャフト「Dシャフト」の設計・制作を開始しました。
ROBOELEについては2026年度に実プロジェクトでの本格運用を目指しています。本記事では、これらの概要と開発意義について解説します。
建設現場における、従来の問題点と「T-MoveX」開発の経緯
建設業では人手不足対応や施工の効率化、生産性向上が喫緊の課題となっています。現在、遠隔操作や自動・自律制御で稼働する建設ロボットの研究開発と現場への導入が進みつつありますが、大きな課題となるのが階間移動です。
大規模現場には大型仮設エレベーターが設置されますが、資材の搬出入や人員の移動で繁忙度が極めて高く、建設ロボットと共用することは難しいとされています。このため、建設ロボットの作業範囲は同一階に限定されていました。
ROBOELEは省スペースに設置可能なロボット専用エレベーターで、サイズは外形1500(幅)×2250(奥行き)㎜、最小設置開口は1950(幅)×2450(奥行き)㎜。
ロボット専用エレベーターを設置することで、各種建設ロボットを指定階に自由に移動させられるのは大きなメリットです。
ROBOERE(ロボエレ)外観イメージ(出所:大成建設)
建設ロボット専用エレベーターROBOEREの設置方法は?
ROBOEREの設置方法は、(1)標準的な超高層ビルの仮設エレベーター設置開口の余り部分に設置する方法と、(2)最小の駄目穴寸法で独立設置する方法の2種類があります。
建設ロボットは通信機能を使用してROBOELEと連携し、ロボットが発信する呼び出し信号を受信したROBOELEが、呼び出された階へ移動して、自動で扉を開閉し、ロボットを載せて指定階へ移動するシステムです。
大成建設では同時に、ROBOELE用の開口部に、ドローン移動専用シャフト(Dシャフト)を併設する手法の検証も進めています。
Dシャフトのサイズは1200(幅)×奥行1200(奥行き)㎜程度を想定しており、設置することで、ドローンのスムーズな階間移動が可能になり、建設現場で活用拡大が期待されます。
T-MoveXの建設現場での適用概要図(出所:大成建設)
大成建設では今後、T-MoveXの普及を図り、建設ロボットやドローンが自由に建物内を上下階に移動しながら、施工管理や施工の効率化を支援し、建設現場の生産性向上を図る「DX構想」の実現に取り組んでいきます。
本記事は、下記、大成建設プレスリリースを参考に構成しました。ぜひご覧ください。
(本記事は総合資格naviライター kouju64が構成しました。)