
特集【15】大成建設が生産プロセスDXの導入で「施工・データ連携・施工管理の3つのオートメーション化」を実現!【建設DX】
大成建設株式会社は「生産プロセスのDX」の一環として、自社開発したリジッドダンプ自動運転技術「T-iROBO Rigid Dump」と施工管理支援基盤システム「T-iDigital Field」を連携させた無人化施工の現場実証を実施しました。本記事では、その内容や効果について解説します。
国土交通省が提唱する「施工・データ連携・施工管理の3つのオートメーション化」
わが国では、生産労働力人口の減少が社会問題となっており、特に建設業界では現場で担い手不足が深刻な課題となっています。
そこで、国土交通省は2024年4月に「i-Construction 2.0」を発表し、建設業の労働生産性向上のために、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上することを提唱しています。
これを実現するための3本柱となる施策が、①施工のオートメーション化、➁データ連携のオートメーション化、③施工管理のオートメーション化です。
大成建設が開発してきた「T-iROBO」シリーズとは?
「T-iROBO」は大成建設が開発した各種作業用ロボットの総称で、「T-iROBO Rigid Dump」の他に、振動ローラーが施工位置を把握しながら、自ら判断して自動で転圧作業を行う転圧走行無人化施工システム「T-iROBO Roller」、人体検知システムにより安全性を確保しながら運搬作業を自動で行う自動運転クローラダンプ「T-iROBO Crawler Carrier」などがあります。これらは人とロボットが協働することを目的とした自動化建設機械です。
「T-iDigital Field」は施工管理業務を支援する統合プラットフォーム
「T-iDigital Field」は施工中に得られる各種映像やセンサによる膨大なデジタルデータを仮想空間上に集積・統合して、デジタルツインを形成するなど、高付加価値な情報として工事関係者間へフィードバックするとともに、蓄積したデータをAIや多変量分析などにより、最適な解決策を導き出すことで、現場管理の支援や生産性の向上を目的として技術開発を進めている統合プラットフォームです。
この技術の適用により、工事関係者は現場管理の煩雑さから解放され、建設作業の遠隔操作や自動化が効果的に機能することで、さらなる施工効率や安全性の向上などの新たな付加価値の創出により、これまでの建設業における常識の著しい変革につながることが期待されています。
現場実証は「成瀬ダム原石山採取工事」で行われた
「成瀬ダム原石山採取工事(発注者:東北地方整備局)」は、秋田県内を流れる雄物川水系成瀬川に建設される成瀬ダムの堤体材料となるCSG材及びコンクリート骨材の採取・製造・貯蔵およびそれに伴う廃棄岩処理等を行う工事です。
大成建設では個別に開発を進めてきた「T-iROBO Rigid Dump」と「T-iDigital Field」をこの工事現場で相互連携させました。
成瀬ダム原石山採取工事の現場内に、自動運転距離が片道約250mの自動化・無人化施工の専用エリアを設定し、この専用エリア内で、自動走行リジッドダンプ「T-iROBO Rigid Dump」2台と遠隔操作油圧ショベル1台の計3台の建設機械を用いて、オペレーター2名が自動運転(最高速度約20km/h)と遠隔操縦を管理し、ダム用骨材の運搬作業(総運搬量約47,200t)を夜間作業時間帯に実施しました。
運搬作業中に取得されたデータは、「T-iDigital Field」のデジタルツイン技術により建設機械の制御等にフィードバックされ、複数の自動化建設機械の協調運転による運搬作業を実施しました。下図はそのイメージを図式化したものです。
出所:大成建設
現場実証された「施工・データ連携・施工管理の3つのオートメーション化」
①施工のオートメーション化
今回の無人化施工では、遠隔操作と自動運転管理のオペレーター2名が施工状況などを確認しながら建設機械を制御し連携を図ることで、協調運転による施工のオートメーション化を実現しました。
➁データ連携のオートメーション化
今回の無人化施工時に取得されたデジタルデータは、「T-iDigital Field」のクラウド上でリアルタイムに収集、自動解析され、いつどこでも必要なデータの閲覧や表示・印刷が可能となりました。 また、「T-iDigital Field」のデジタルツイン技術を用いることで、様々な建設現場で活用できるデータ、ノウハウの蓄積と有用な情報の発信が可能となり、データ連携の適用範囲拡大により、データ入力や探索に係る手間などを大幅に削減できます。
③施工管理のオートメーション化
「T-iDigital Field」は、建設現場以外からでも簡単に各種データの閲覧が可能なため、遠隔から建設現場での作業進捗状況および安全確認などの施工管理業務を行うことができました。 またWEBカメラなどを用いて遠隔監視で施工管理が行え、建設現場への移動時間の短縮や、機械故障など緊急対応が必要な事案が発生した際、現場監視画像から原因特定の手がかりを得ることで、早期復旧が可能となりました。
まとめ
大成建設では、今後も、無人化施工技術「T-iROBO」シリーズと施工管理支援基盤システム「T-iDigital Field」を相互に連携させることで、デジタル技術活用による建設生産の効率化・省人化および現場環境での安全性・快適性の向上を図り、生産性の高い建設現場を構築するとともに、「i-Construction 2.0」の実現に貢献していくとしています。「T-iDigital Field」は、今後の施工管理手段として必要不可欠なツールになることが期待されます。
本記事構成にあたり、2025年3月19日付、大成建設ニュースリリース「「T-iROBO® Rigid Dump」と「T-iDigital® Field」の連携による無人化施工を実施」を参考としました。ご興味ある方はぜひご覧ください。
(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)