2024年度補正予算で「GX志向型住宅」への支援事業を創設。国土交通省、環境省が連携【住宅業界NEWS】

2024年度補正予算案に「子育てグリーン住宅支援事業」が盛り込まれた

政府は2024年11月29日に2024年度補正予算案を閣議決定しました。

一般会計の追加歳出額は14.1兆円で、うち13.9兆円を経済対策関連経費が占めるものです。

国土交通省は省エネ住宅を普及させるため、2024年度補正予算案に、子育てエコホーム支援事業の後継となる「子育てグリーン住宅支援事業」を盛り込み、2250億円を計上しています。

この事業は環境省と連携し、新たに従来よりも高い性能をもつ「GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅」を位置づけ、購入費を手厚く補助するものです。

新たに設定された「GX志向型住宅」の概要

「GX志向型住宅」は、①断熱等級6以上、➁再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量削減率35%以上、③再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量削減率100%以上のすべてに適合するものとし、新築すると従来の省エネ住宅よりも300万円から400万円ほど多く費用がかかると見込まれています。

「GX志向型住宅」に対する補助額は1戸当たり160万円で、「GX経済移行債」と呼ばれる国債発行で賄う計画としており、500億円の予算で300万戸弱への補助を想定しているものです。

「子育てグリーン住宅支援事業」は、11月22日に閣議決定された政府の経済対策において、物価高の克服が重点に置かれたことを受けて創設されたもので、子育てエコホーム支援事業に引き続き、子育て世帯などへの支援に重点を置いています。

「GX志向型住宅」については、2050年カーボンニュートラルの実現も見据え、世帯要件を撤廃しているとのことです。

図:「子育てグリーン住宅支援事業」における補助額(新築)と「GX志向型住宅」の要件

(出所:国土交通省) ※脚注は本記事末尾に掲載します。

子育て世帯等が取得する長期優良住宅、ZEH水準住宅への補助は継続

上図通り、子育て世帯または若者夫婦世帯が取得する長期優良住宅やZEH水準住宅への補助も、国交省の所管で引き続き実施します。

その補助額は長期優良住宅が80万円/戸、ZEH水準が40万円/戸(建て替えの場合は20万円を加算)となります。

また、省エネ住宅の裾野を広げるために、長期優良住宅とZEH水準住宅は新築賃貸住宅を対象に追加し、当初3カ月間は子育て世帯に限定して入居募集を行うこと、補助額を勘案して子育て世帯向けの家賃を設定することを条件に、戸数の50%を上限として補助を行うとしています。

【上図脚注(国土交通省)】

※4:「GX志向型住宅」は環境省において実施、「長期優良住宅」及び「ZEH水準住宅」は国土交通省において実施。

※5:長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられている住宅で、地方公共団体にて認定を受けたもの。

※6:断熱等性能等級「5以上」かつ再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量の削減率「20%以上」に適合するもの。

※7:賃貸住宅の場合、子育て世帯等に配慮した安全性・防犯性を高めるための技術基準に適合することが必要。

※8:住宅の新築にあわせ、建替前に居住していた住宅など建築主(その親族を含む)が所有する住宅を除却する場合。

※9:寒冷地等に限っては75%以上(Nearly ZEH)も可。

※10:都市部狭小地等の場合に限っては再生可能エネルギー未導入(ZEHOriented)も可。

※11:共同住宅は、別途階数ごとに設定。

 

(本記事は総合資格naviライター kouju64が構成しました。)