特集【2】i-Construction2.0(後編)「建設現場のオートメーション化に向けたトップランナー施策」【知っておきたい建設的常識】

特集【1】では、i-Construction2.0の概要・目的・目標について解説しました。

後編(特集【2】)では、トップランナー施策の具体的な内容について解説します。
前編未読の方は、ぜひ下記より内容確認の上で、本記事を読み進めてください。

特集【1】i-Construction2.0が目指す建設オートメーションとは?(前編)【知っておきたい建設的常識】

i-Construction2.0のトップランナー施策

国土交通省がi-Construction2.0で、2040年度までに「建設現場のオートメーション化」を実現するために進めていく「トップランナー施策」は次の3つです。

1.施工のオートメーション化

建設現場をデジタル化・見える化し、建設現場の作業効率の向上を目指すとともに、現場取得データをフィードバックするなど双方向のリアルタイムデータを活用し、施工の自動化に向けた取組を推進する。

出所:国土交通省

2.データ連携のオートメーション化(デジタル化・ペーパーレス化)

3Dデータの活用などBIM/CIMによりデジタルデータの最大限の活用を図るとともに、現場データの活用による書類削減(ペーパーレス化)・施工管理の高度化、検査の効率化を進める。


出所:国土交通省

3.施工管理のオートメーション化(リモート化・オフサイト化)

オートメーション化を進めてもなお、建設現場に人の介入は不可欠であり、働き方改革の推進が必須。
プレキャスト部材の活用や施工管理、監督・検査等のリモート化を実現することで、現場作業を省力化するなど、建設現場のリモート化・オフサイト化を推進。


出所:国土交通省

i-Construction2.0「2024年度の主な取組(国土交通省)」

1.施工のオートメーション
●自動施工に向けた環境整備

①自動施工の安全ルール策定

〇「建設機械施工の自動化・自律化協議会」を設置(2022.3)
〇建設DX実験フィールドで行う現場検証も踏まえ、自動施工の安全ルール策定(2024.3)
〇安全ルールを実現場に適用する試行工事を実施するとともに、自動施工機械の機能要件や施工管理要領の策定に向けた検討・検証を実施

出所:国土交通省

➁自動施工の現場実装・技術開発を促進するための基盤整備
〇自律施工技術基盤OPERA※を整備
※Open Platform for Earthwork with Robotics and Autonomy
〇異なるメーカーの建設機械についてもユーザーが同じプログラムで動作させることが可能な共通制御信号の策定に向けた共同研究を実施

出所:国土交通省

●遠隔施工技術の普及促進

〇災害対応時に危険が伴う工事において遠隔施工を実施
〇生産性の高い自動施工実現に向けて、通常工事へ遠隔施工技術を導入
〇2024年度は、災害対策時以外の施工現場で試行工事を実施

出所:国土交通省

●施工データ集約・活用のための基盤整備

〇施工データを集約・活用するための共通データ環境(施工データプラットフォーム)整備
〇施工データを統一的に把握・活用するための共通ルール(API連携)を策定、施工データの連携を図る技術開発を促進
〇2024年度は、施工データ活用による効果を検証する試行工事を実施

出所:国土交通省

●海上工事における取組

〇ICT、BIM/CIM活用により、海上工事における作業船の自動・自律化施工の検討を進め、更なる生産性向上を図る
〇海上工事における作業船の自動・自律化の安全ルールについても検討を行う
〇作業船操作に伴う3次元データとの連係検討に取り組む

出所:国土交通省

●ICT施工の原則化

〇「ICT土工」は2022年度には直轄工事の約86%において実施
〇2024年度は、ICT施工の実施率や実施件数が高い「ICT土工」及び「ICT浚渫工(河川)」について、発注者指定型に移行し、2025年度からICT施工を原則化
〇その他のICT施工対象工種は、取組状況を確認しながら、順次原則化に向けた検討を実施

出所:国土交通省

2.データ連携のオートメーション化(デジタル化・ペーパーレス化)

●3次元モデルの標準化(試行)

〇2023年度より、BIM/CIM原則適用を開始、3次元モデルの活用を本格的に開始
〇3次元モデルの標準化に向け、試行業務を実施

出所:国土交通省

●後工程へのデータ活用

〇BIM/CIMをデータプラットフォームとして活用し、デジタルデータを後工程での利用を促進し、作業の効率化を進める

出所:国土交通省

●デジタルツイン

〇最適な施工計画の検討や手戻り防止のため、工程が複雑な工事などはBIM/CIMにより4Dモデルを構築し、事前のシミュレーションやAR・VRの活用により、関係者間で施工イメージを共有し、手戻りやミス防止、現場作業の効率化を進める
〇デジタルツインを容易に整備できるよう国土交通データプラットフォームの連携データを拡充するとともに、データの提供機能を強化

出所:国土交通省

●施工データの活用の効率化

〇電子成果品の打合せ簿ファイルなどから管理項目(ファイル名等)を対象に、施工不良や瑕疵が発生した場合に同じ施工方法や材料、製品等を使った現場を効率よく検索できるようにすることで、より高度な品質管理が確保できるように電子部品・保管管理システムの改良等の検討を進める

出所:国土交通省

●データ活用による書類の削減

〇工事の施工中における工程管理、工事書類管理などの機能を備えたアプリをインターンネットを通じて受発注者に提供するサービスであるASP(情報共有システム)について、施工管理関連情報(工程、出来形・品質、図面、写真等)のデータアクセス、管理の効率化などの各情報の活用を図り、建設現場のデジタル化・ペーパーレス化を実現するため、プロジェクトチームを立ち上げてASPの拡充検討を進めて行く。

3.施工管理のオートメーション化(リモート化・オフサイト化)

●監督検査のデジタル化・リモート化

①遠隔臨場
〇「遠隔臨場による工事検査に関する実施要領(案)」及び「同監督検査実施要領(案)」を2024年3月に策定、2024年度から原則全ての直轄工事における検査へ適用する

出所:国土交通省

➁デジタルデータを活用した配筋確認
〇デジタルカメラで撮影した画像の解析により配筋間隔・本数・径・かぶりなどを計測し、出来形を確認(2023年7月本格運用)
〇今後は計測項目の追加や計測精度の向上に向けた技術開発や関連システムとの連携に取り組むとともに、3次元設計データ(BIM/CIM)の適用も検討していく

出所:国土交通省

●100Gbpsネットワーク整備

〇河川道路管理用光ファイバーを活用して、日本全国を100Gbpsの高速・大容量回線で接続し、高速ネットワーク環境を末端まで整備する
〇災害対応や事業の実施にあたり、大容量データを活用した現場や自治体等との関係機関との協議や連携も重要であり、衛星コンステレーションの活用も含め関係機関との効率的なネットワーク構築についても検討する

出所:国土交通省

●ロボットによるリモート検査

〇災害時・障害時等における、迅速な対応を実現するため遠方施設におけるロボットの自動・遠隔操作による設備点検を検討中
〇国土交通省の施設内にてロボットによる表示ランプやメータリングの確認、スイッチ等の動作試験を行っており、今後は山岳地や離島の施設における試験を予定

出所:国土交通省

●プレキャストの活用促進

・建設現場において生産性向上を図る上で、従来工法に対して、コスト面を中心とした形式や工法を選定していた
・これからはコスト(Money)に対して、省人化、働き方改革寄与度、安全性向上、環境負荷低減などの価格以外の価値(Value)を評価する考え方の採用を検討していく

出所:国土交通省

★出典: i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化~(国土交通省)

(本記事は総合資格naviライター kouju64が構成しました。)