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港湾におけるi-Construction・インフラDXの推進へ初会合、国土交通省が2040年度までに現場をオートメーション化【建設NEWS】
「港湾におけるi-Construction・インフラDX推進委員会」設置の目的
「港湾におけるi-Construction・インフラDX推進委員会」は、※「港湾の建設現場においてデジタル技術を最大限活用した生産性向上及び業務そのものの変革のための取組として、ICT施工の拡大、新たな技術の導入、建設生産プロセスの全体最適化、3次元データの利活用およびデータ連携を進めるための検討を行うとともに、必要な基準類の改良および策定を行うことを目的」として設置されています。
これは、国土交通省が2024年4月に掲げた「i-Construction2.0」で示した通り、建設現場の自動化を通して、2040年度までに生産性を1.5倍に向上することを、港湾現場で実現するためのものです。
※「」内、(国土交通省第1回委員会説明資料)より引用
第1回「港湾におけるi-Construction・インフラDX推進委員会」で討議された内容は?
2024年11月26日、「港湾におけるi-Construction・インフラDX推進委員会」の初会合が開催されました。会合では、2024年度のICT施工と3Dモデルを活用するBIM/CIMなどについて、取り組みの状況を踏まえて議論されました。
港湾工事では、ICTを活用した工種は、浚渫(しゅんせつ)工事をはじめ基礎工事、ブロック据え付け工事、海上地盤改良工事などで要領・基準類などの整備が進んでいます。
今後のICT施工の拡充策として、基礎工事における音波を用いたマルチビーム測量による出来形管理や、ブロック据え付け工事における無人航空機(UAV)による出来形管理について、2024年度に要領を作成し、2025年度から試行工事を実施する予定となりました。
また以前から、港湾局は港湾工事におけるBIM/CIMの使用環境を整備してきましたが、2024年5月から、全ての直轄工事を対象に「港湾整備BIM/CIMクラウドシステム」を試験運用しており、同システム上で3Dモデルを受発注者間などで共有、閲覧できるようになりました。
これは、調査から設計・施工・維持管理まで、各段階で得たデータを同システムに蓄積することで、個別に共有する手間を省けるものです。
今後は、道路や河川など他分野での取り組み内容などを踏まえながら、港湾工事の実情に合わせたBIM/CIMの取り扱い要領作成を進めていくことになります。
「港湾におけるi-Construction・インフラDX推進委員会」のロードマップ
「港湾におけるi-Construction・インフラDX推進委員会」は2040年度までの実現を目指す建設現場のオートメーション化に向けて、短期・中期・長期の具体策を次の通り、ロードマップとしています。
■短期(2030年目標)
デジタル化や技術開発を推進すると同時に、新たな技術導入に伴う業務負担の軽減、対応力を強化。
短期では、施工・データ連携・施工管理のオートメーション化について、今回、下記の通り、「取組の方向性」が示されています。
出所:国土交通省(第1回委員会資料を参考に筆者が作成)
■中期(2035年目標)
工事全体のマネジメントにより、気象海象や船舶の往来等様々な要因による工程への影響を最小化することで、計画的な休暇が確保できる建設現場を実現。
■長期(2040年目標)
DX(施工の自動化や建設生産・管理プロセス全体のデータ連携等)により建設現場のオートメーション化を実現。
第2回「港湾におけるi-Construction・インフラDX推進委員会」は2月21日開催予定
第2回「港湾におけるi-Construction・インフラDX推進委員会」は、2025年2月21日に予定され、短期(2030年度)・中期(2035年度)における、それぞれの目標と取組内容をまとめたロードマップを提案する予定です。
第1回会合検討内容と、次回、第2回会合の検討内容(案)は下記の通りです。
出所:国土交通省
本記事で説明している「i-Construction2.0」は過去記事で解説しています。未読の方は、この機会にぜひご確認ください。
特集【1】i-Construction2.0が目指す建設オートメーションとは?(前編)【知っておきたい建設的常識】
特集【2】i-Construction2.0(後編)「建設現場のオートメーション化に向けたトップランナー施策」【知っておきたい建設的常識】
(本記事は総合資格naviライター kouju64が構成しました。)