来年はこうなる「2026年卒、新卒採用戦線の見通し」【就活情報】

早いもので、2024年も年末を迎えました。学生は多くが今週から冬休みを迎えることと思います。建設業界も働き方改革が進んでいることもあり、「年末年始休業」を長期連休とする企業が多く、週内に順次お休みに入っていく予定です。

そんな年末にふさわしい話題のひとつが「来年の新卒採用はどうなるか?」だと思います。

2024年は、元旦に「能登半島地震」が起き、翌日は「羽田空港地上衝突事故」が発生するなど、年初から衝撃的なニュースが続き、その後も明るい話題に乏しい一年になってしまったような気がしています。

総合資格ナビとしても、「来年こそは、ぜひ明るい一年にしたい」とスタッフ一同で祈念しているところです。

本記事では、「2026年卒採用戦線の見通し」についてお届けしたいと思います。もちろん、年内に明るい話題をお届けしたいという主旨ですが、「全てがバラ色ではない」点はご承知おきください。

新卒採用企業は「強い危機感」をもって、採用戦略を立てています

我が国では少子化が進み、若年人口がどんどん減少していますが、大学進学率の上昇を背景に大学生数は増加傾向を維持してきました。建設系大学では学部新設や学部学科編成の改定、定員増加など、生き残りをかけた戦略が続いてきたように思います。

しかし、大学生数も、いよいよ減少に転じる時期に差し掛かっています。従来通りに企業説明会やインターンシップに多くの学生を集めて、その中から自社に合う人材をふるいにかけるという手法は、一部の人気企業を除いてすでに限界を迎えたといってよいでしょう。

そこで企業が選択する新卒採用戦略では、人事制度の見直しを進めて、ジョブ型雇用を導入するなど、採用形態の多様化や、配属先・希望職種を事前に明示した選考を行って、学生の不安感を払拭するなど、新卒募集のあり方自体を大きく変えて行こうと考えています。

もうひとつは、数年来ずっと続いている採用活動の早期化です。売り手市場が続く中で、少しでも早く優秀な学生を確保したいと望む企業は、1・2年生でも積極的にオープンカンパニーに参加を募っていますし、採用直結型のインターンシップ実施から、早期選考を開始する時期も次第に早くなっています。

企業だって、大学以上に、生き残りに一生懸命です。人材不足が解消できなければ倒産することもあるわけですから、採用だけではなく、教育研修・育成のDX化などへ「強い危機感」をもって舵をとろうとしています。

採用意欲は依然旺盛。優秀な学生に早く、多く内定をだしたい

2026年卒者の新卒採用見込みを、本年10月調査結果から検証してみましょう。下図はキャリタス株式会社による「2026年卒者の採用人数見込み」です。

上図では6割近く(57.9%)が「今年度(25年卒)並み」と回答。「増える見込み」18.7%に対し「減る見込み」は6.4%で、「増加」が「減少」を大きく上回る結果となっています。従業員規模が大きいほど「増える見込み」の割合が高いことがわかります。

総合資格ナビ事務局が実際に見聞きする、建設企業の動向は、積極採用はもちろんですが、前年、前々年と採用予定数を充足できていなくて、採用計画を縮小できない現実や、業界の慢性的な人手不足から、キャリア採用が非常に厳しい環境となっており、新卒採用で補わざるを得ないということは、よく耳にするところです。

今後も売り手市場は続き、これまで以上に採用活動の難易度が上がっていくことが予想されるでしょう。

続いて、企業が新卒採用の早期対策として注力したいことは、下図のように集計されています。

最も多いのは「早期接触学生のフォロー」で 5 割強(54.1%)。「プレ期の活動」(51.2%)、「インターンシップ等の実施・見直し」(49.8%)も約半数が選んでいます。

前述の通り、応募する学生の反響や参加人数の増加が厳しい現状にあるため、個々の学生と関係を深められることや、接触後も関係を継続できることを主眼としているといってよいでしょう。

建設業界は全国大手企業だけではなく、地域優良企業が多いのも大きな特徴です。一般には知名度が高くなくても、地方私立大学や専門学校から多く入職し、先輩たちが長く活躍している企業から、総合資格ナビに、企業セミナーや説明会の告知など、多数の要望をいただいています。

少子化の影響もあり、「地元で活躍したい」という学生自身の希望や、「地元で活躍させたい」という企業、学校、ご家族の要望にお応えができるよう、総合資格ナビもより一層サポートしていきたいと考えています。

さらに多いのが、「最初は大都会で働きたいけど、将来は地元で活躍したい」という要望です。総合資格では、建設・不動産業界の転職支援サービス「総合資格career」を行っており、今後はますます需要にお応えしていかなければならないと考えています。もちろん新卒入社を目指している就活生には、全く無縁のサービスなのですけれども、転職支援事業を進めていることは、知っていただけたら幸いです。

また、新卒就活支援事業「総合資格naviエージェント」も展開中です。

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2026年卒、新卒採用に対する面接・内定動向は?

多くの企業が面接開始を3月、4月としてきたところ、大手企業は10月以降を目途に早期選考が進んでいます。特に組織設計事務所やゼネコン設計職、大手住宅系の設計職は動きが早くなっており、年末を迎えたいま、水面下で動きが進んでいることでしょう。1、2月もインターンシップ参加者の選考を中心に早い動きが予想されます。

決して焦る必要はなく、前掲記事※で示した通り、ご自身の志望業界や志望職種などが固まっていることの方が重要で、志望企業の選考に対して「波に乗る」ことを心がけていただきたいと思います。

もしも「地元で活躍したい」という意向なのでしたら、年末年始でしっかり地域企業の研究をすることと、年明けから、学内キャリアセンターや就職担当教員から情報を得るように働きかけてください。就活は自分から動くことが必要です。

下図は、キャリタス株式会社が10月調査した「内定出しの開始時期」です。

出所:キャリタス「新卒採用に関する企業調査-内定動向調査」(2024年10月)

※前掲記事:12月、いよいよ始まる?2026卒へ伝えるアドバイス【就活情報】

本記事作成にあたり、キャリタス株式会社の「2024年12月9日付けニュースリリース」を参考としました。リンク先を表示しますのでご興味ある方はぜひご覧ください。

新卒採用マーケットの分析/2026年卒就職・採用戦線の見通し(キャリタス株式会社)

 

(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました)