【建築学生団体・紹介】香川大学創造工学部 建築同好会
「建築同好会」は設立26年目を迎えた、国立大学法人香川大学の公認サークルである!
「建築同好会」は1999年に香川大学工学部(現創造工学部)公認サークルとして設立されました。かつての工学部安全システム建設工学科は土木主体の建設系学科でしたが、建築士の受験資格を満たす教育課程も実践されていて、建築に興味を持つ学生が入学していました。
彼らが建築同好会の会員となり、情報交換を行ったり、上級生が下級生に建築系授業でわからないところを指導したり、非常勤講師に依頼して、建築模型の製作や設計作品のプレゼン講評を受けたりする活動が主体でした。
2018年度、香川大学工学部は学部再編成により、創造工学部創造工学科に生まれ変わり、建築・都市環境コースができました。ここから建築を志望して入学する学生が増えて、建築同好会の会員も10数名から50名以上に一気に増加していきます。
卒業後の進路についても、工学部時代は公務員やインフラ企業など、建設工事の発注者側に就職する学生が大半でしたが、創造工学部になって、建築技術職を志向した学生がゼネコンや建築設計事務所、大手住宅企業等に就職するようになっています。また近年は大学院に進んだ後、建設研究職を志望する学生も出ているとのことです。
建築同好会は、まさに建築業界で活躍することを目指した学部生が自由に情報交換や切磋琢磨できる場となっています。
建築同好会のすごいところ!アピールポイントや参加するメリットなど
2024年度代表を務める香川大学創造工学部創造工学科建築・都市環境コース3年田川蒼真さんに、建築同好会の「すごいところ」を3つ挙げていただきました。
・Point1:建築・都市環境コースの先輩とつながれる!
・Point2:実際に働かれている建築家さんとエスキスができる!
・Point3:就活や業界の情報など、様々な有益な情報が手に入る!
香川大学では、一年次の一般教育科目は大半が幸町キャンパスで授業が行われています。そこで創造工学部がある林町キャンパスには、週に一、二回しか登校していません。それでも林町キャンパスに登校した際には、学生プロジェクト棟にある建築同好会部室に立ち寄ると、本棚には代々の会員が収集した建築書籍や建築雑誌、会員が製作した建築模型が並んでいる環境があり、在室する先輩達や会員同士で交流できるようになっています。
建築同好会の主な活動
普段は大学の設計課題や勉強のために集まり、会員同士で交流をしていますが、毎年、年間にいくつか設計コンペティションに参加することは継続していて、チームや役割など話し合いで決めています。長期休みになるとコンペ準備を進め、発表会を開催して互いにプレゼンを披露し、意見交換を交わすなど切磋琢磨しています。
香川県周辺には有名建築が多く、時には実際の建築見学に行くこともあります。
長い歴史を持つ同好会ですが、活動内容は自由に会員で希望を出し合って決めています。
■活動場所:香川大学創造工学部 林町キャンパス学生プロジェクト棟 実験室5
■集合回数等:回数は不定で自由に部室に集合しています。イベントや定期集合は一年生が林町キャンパスで授業がある水曜・金曜に実施することが多い。
■年間スケジュール(2024年度の例)
建築同好会の活動紹介(近年)
■4月の集い
新入生入学時に建築同好会の「入会説明会」を実施して、会員募集をはかります。
主要なイベントは一年生がキャンパスに登校する日に設定していますが、いつでも部室に寄ることを大歓迎しています。イベント参加も興味や都合に合わせて進めていけるサークル活動としています。
■建築家とのエスキス授業
香川大学の設計製図授業は大学の建築系教員が複数名で指導してくださるのですが、現時点では設計実務を経験している専任教員がいない状況です。地域で設計事務所を主宰されている先生が非常勤で一部指導されることもあり、建築同好会では非常勤講師の先生に、授業とは別にエスキス指導をお願いしていました。
現在、大学院では建築家によるオンライン授業があり、エスキスをしながら一人ひとりが課題を作っていくその授業を、同好会の希望者がオンライン聴講させていただいています。
■設計コンペティションへの参加
建築同好会として、年に何回か全国コンペに応募しています。主として設計課題で学習した住宅系課題のコンペにチャレンジしていますが、その中でも滋賀県で開催される「木の家設計グランプリ」は2023年、2024年と2年連続で一次審査で会場展示作品が選ばれました。2024年度に選出された会員と模型製作を手伝った会員で、会場の滋賀県立美術館に赴きました。
今回、惜しくも入選はできませんでしたが、全国コンペで選ばれ、他大学の学生たちとプレゼンで競い合える意義は高く、多くの設計作品から得られる学びが重要だと感じています。今後も入賞を目指して、積極的にコンペに挑戦していく予定です。
2022年は愛知県蒲郡市が主催した「がまごおり公共建築学生コンペ」に出展しました。出展メンバーは、事前に愛知県蒲郡市へ地見学旅行に行き、敷地や周辺環境を確認しました。その際に豊田市へ足を延ばして、建築家谷口吉生氏が設計した「豊田市美術館」を見学しました。
今後の展望など(今回取材の際に話したこと)
代表を務める田川蒼真さんによれば、同好会の登録会員としては3年生の年度末で引退となるそうです。香川大学では3年後期からゼミ配属になり、田川さんも既に建築系研究室で学びだしていますが、研究室のB4生や大学院生は多くが建築同好会OBとなるそうです。研究室では外部に出て、建築物の実測調査等を行うことも多く、同好会の希望者を研究調査の補助として巻き込んでいけると良いのではないかと話をしました。古民家改修などの活動も可能性がありそうです。
また構想段階ではありますが、学内で設計コンペを企画して建築同好会が主催していくアイデアも良いのではないかとの話をしました。
学業との両立も課題ですが、今後、ますます新しいことへチャレンジをして、活動が広がっていくと良いですね。
建築同好会のメンバー構成(2024年度)
・合計人数:65人(男性:31人、女性:34人)
・学年人数:3年19人、2年28人、1年18人
建築同好会各種情報
代表(2024年度)
香川大学創造工学部創造工学科建築・都市環境コース3年 田川蒼真
代表メールアドレス : s22t132(a)kagawa-u.ac.jp
※迷惑メール対策のため、@を(a)に変えています。
各種URL
※ホームページ、SNSは現在、活用していません。
※本記事に掲載した図版、写真は、香川大学 建築同好会提供によるものです。
(本記事は、総合資格naviライター kouju64がインタビュー取材を行い、記事構成しました。)