【建築学生団体・紹介】北九州建築デザインコミュニィtonica
北九州建築系三大学の学生が共同設立した「北九州建築デザインコミュニティtonica」は設立から15年目を迎えました。
「北九州建築デザインコミュニティtonica」は北九州市立大学、九州工業大学、西日本工業大学の三大学の学生が、2010年に設立した学生団体です。ワークショップや建築巡り、即日設計、年に一度の建築展を通して他大学との交流を深めています。
北九州建築デザインコミュニティtonicaのすごいところ!アピールポイントやメリットなど
2024年度副代表を務める、北九州市立大学 国際環境工学部 建築デザイン学科3年 新坂太一さんに、tonicaの「すごいところ」を3つ挙げていただきました。
・Point1:学生主体で建築展の運営をしているところ!
・Point2:年に二回建築旅行に行っていること!
・Point3:積極的な建築議論を行っていること!
設立以来、選ばれた代表が在籍する大学は、西日本工大、九州工業大、北九州市立大の間を交代しています。毎年、大学や学年の枠を超えた活動をしてきたtonicaですが、建築展の名称が「関門海峡建築展」に変わった2021年度以降は、北九州市立大学が中心となっているそうです。毎年、メンバーの意見や発案で自主的に学外活動に取り組んでいけるのが最大のメリットですね。また15年に渡る活動実績で地域認知度が増しているようです。
北九州建築デザインコミュニティtonicaの主な活動
設立の際に、「北九州に建築議論の場を創出する」というスローガンを掲げており、団体活動の理念となっています。2010年から毎年2月に「建築展」を開催しており、主要なイベントになっています。また、建築展以外にも、北九州の学生・市民・建築家が一体となる、北九州特有の「建築教育・文化の場」をより発展させていきたいと考えて、イベント活動では地元建築家や行政・建築団体などに関わりを持っていただいています。
■定例会:北九州市立大学 アトリエに集合して、毎月1度、報告会を実施しています。
■年間スケジュール(2024年度の例)
北九州建築デザインコミュニティtonicaの活動紹介
■新入生メンバー募集 4月・5月
学科オリエンテーションや座談会に参加をすることもありますが、三大学で運営している団体でもあり、実施イベントを通した口コミによる参加応募が主体となっています。
現メンバーも「建築展」やワークショップの存在を知って参加した学生が多いそうです。
■即日設計(基本は月1回開催)
即日設計は毎回、実施日の1週間前までに「お題」を提示して参加者を募ります。
5.6名から10数名ほどの参加者は、自分でダイアグラム(3マス)、模型を制作して、実施当日アトリエに集合し、制作意図などの発表を行い、質疑応答をします。
学生同士で議論する他に、北九州市立大の山田浩史講師から講評をいただいています。
■mm’s(ミリズ)
新一年生のために「模型作り体験の場」として企画されたのがmm’sです。入学当初は設計製図授業もなく、大学で模型づくりをすることがありません。そんな一年生に、初歩的な「箱作り」から始めて、合計4回のmm’sを通して家づくりを体験していただきます。最終回では、添景まで作りこんだ模型の完成を体験していただきました。
■北九州市主催「学生ワークショップ」に参加【都市景観×小倉のまち】
北九州市ではかねてより都市景観やまちづくりに力を入れており、3年に一度、「北九州市都市景観賞」の選出と表彰を行っています。
「北九州市都市景観賞」は、個性的で魅力ある都市景観の向上に寄与したものを表彰することにより、景観に対する市民の意識高揚を図り、美しいまちづくりを推進することを目的に、平成11年度より実施しています。この都市景観賞は、建築物単体だけでなく、景観を構成するまちなみや屋外広告物なども表彰の対象とするものです。
2024年度は第10回「北九州市都市景観賞」応募の年となり、主幹する北九州市都市戦略局都市再生企画課で、『【都市景観×小倉のまち】大学生ワークショップ』を開催することになり、例年、「建築展」を運営しているtonicaに、イベント企画・運営やワークショップへの学生応募に関して協力要請がありました。
現在進行形ですが、tonicaからメンバーが参加して運営にも関わります。
★【都市景観×小倉のまち】大学生ワークショップ概要(全3回)
参加者がチームとなり、小倉地区の中心市街地を対象エリアとして、「若者にとって親しみやすい景観」となるよう、現状の課題を整理・調査・分析し、都市空間・まちづくりのアイデアを考え、市民へ提言を行う。
●第1回:令和6年10月30日(水)14:00~ キックオフイベント
●第2回:令和7年1月22日(水)14:00~ 中間発表プレゼン
●第3回:令和7年3月9日(日)14:00~ 最終発表(北九州科学館スペースLABO)
■建築旅行(年2回) 秋・春に開催
tonicaでは毎年2回建築旅行に出掛けています。秋旅行は例年10月頃に日帰り旅行としていますが、2024年は11月3日にメンバーで大分県に赴き、由布院駅(磯崎新設計)、中津市小幡記念図書館(槇文彦設計)、風の丘葬祭場(槇文彦設計)、由布院ツーリストインフォメーションセンター(坂茂設計)、旧大分県立大分図書館 アートプラザ(磯崎新設計)、大分県立美術館(坂茂設計)などを見学してきました。
毎年、3月に行く春旅行は宿泊旅行になります。2024年度は、現在、行き先を検討中です。2023年3月は長野県・群馬県に2泊3日で行ってきました。
大分県立美術館前で撮影した集合写真
■関門海峡建築展(北九州新人戦・九州卒業設計展)
2010年から連続開催している建築展は、長らく「tonica北九州建築展」を名乗ってきましたが、コロナ禍が落ち着いた2023年より会場を「スペースLABO」に移して、名称を「関門海峡建築展」となりました。二日間の一般公開を行う、この展示会で一番こだわっているのは、その展示と審査方法です!
まず本イベントは、卒業設計展だけではなく、tonicaの3大学から3年生以下が出展できる「北九州新人戦」と九州全域から集まってくる「卒業設計展」が同じ会場に展示されるということです。つまり、tonicaメンバーは卒業設計展の運営を支えるだけではなく、自ら出展できる展示会になっています。さらに審査会では、tonicaの伝統で卒業設計と3年以下の設計作品が垣根無く、審査員に対するマンツーマンの対面プレゼン審査で評価され、ともにコンペを競う大会になっています。
一日目の一次審査では、出展者を7名、または8名のグループに分け、各グループを審査員が一人ずつ巡回審査を行っていきます。巡回では出展者がプレゼンボードや模型の横に立ち、プレゼンと質疑応答により、その場で審査員と十分に議論を尽くします。ここが大会最大の醍醐味になり、じっくり手順と時間をかけたプロセスで最終審査に進む作品が選出される方式です。昨年度は8作品が二日目の最終審査に進み、入賞を競い合いました。
このように、学生と審査員がフルに2日間の競技に臨み、入賞を競うことはもちろん「議論を尽くして多くの評価を得られる」ことが出展者にとって満足度が高いイベントになっています。
本年2月22日、23日に開催される「関門海峡建築展2025(北九州建築新人戦・九州卒業設計展)は総合資格ナビでもイベント紹介しておりますので、ぜひ「こちら」をご覧ください。
北九州建築デザインコミュニティtonicaメンバー構成(2024年度)
・合計人数:44人(男性:18人、女性:26人)
・学年人数: 3年10人、2年20人、1年14人
北九州建築デザインコミュニティtonica各種情報
代表(2024年度)
北九州市立大学 国際環境工学部 建築デザイン学科3年 持田紗那
代表メールアドレス : tonica.kitakyushu@gmail.com
各種URL
・ホームページ : 公式ホームページ
・X(旧Twitter) : 公式X(@tonica2010)
・Facebook : 公式フェイスブック
・Instagram : 公式インスタグラム(tonica_2024)
・他(Imginn) : @tonica_2024
※本記事に掲載した図版・写真は、北九州建築デザインコミュニティtonica提供によるものです。
(本記事は、総合資格naviライター kouju64がインタビュー取材を行い、記事構成しました。)