【建築学生団体・紹介】広島建築系学生団体scale

広島建築系学生団体scaleは設立15年周年を迎えた学生団体。近年は古民家リノベーションWSを主な活動としています!

広島建築系学生団体scaleは、2010年に広島国際大学の学生が立ち上げた学生団体です。当初は「The.談」という建築家講演会を開催していました。

団体代表は、広島国際大から近畿大学工学部、広島大学と移り、2014年に制作した「移動式映画館」は各地イベントで設置紹介され、以降の活動依頼のきっかけとなりました。2016年は即日設計や廃材ワークショップなどの活動やイベント会場の設計・監督、古民家リノベーション等、活動の幅を一気に広げた年になりました。

近年は東広島市を中心に地域工務店から依頼を受け、古民家リノベーションワークショップに年間を通じて参加するかたわら、設計コンペにもチャレンジしています。

広島建築系学生団体scaleのすごいところ!アピールポイントやメリットなど

2024年度代表を務める広島大学 工学部 第四類 建築プログラム4年 佐藤秀弥さんに、広島建築系学生団体scaleの「すごいところ」を3つ挙げていただきました。

・Point1:広島大学と近畿大学工学部のインカレ!

・Point2:少人数なので上の先輩とも関わりやすく仲良くなりやすい!

・Point3:プロの方と一緒に作業することが多く技術が身につきやすい!

当初団体設立した広島国際大学で建築系学科が廃止となり、2014年以降は東広島市にキャンパスがある広島大学と近畿大学工学部の学生がメンバーとなっています。

また、リノベ活動が中心となってから、「本気で改修工事に取り組みたい学生」という条件で少人数制としているそうです。

それは職人指導の下で施工を担っていくのは体力も必要で、時にはケガをする可能性もあり、軽い気持ちでは継続が難しく、現場に参加できる人数に限りがあるからという理由になるそうです。

一人前を目指して大工仕事に取り組み、自分の手で1/1の建築づくりに関わりたいという意欲をもつ学生には最適なサークル活動になるようですね。

広島建築系学生団体scaleの主な活動

リノベーションや町おこしなどを通じて、技術や知識の向上に努めています。

工務店から依頼を受けて、リノベーション協力という形で物件を解体から改修まで行います。依頼によって活動する幅は広く、近年は古民家のリノベーションや、廃校となった小学校の一室を改修する際の家具を提案および制作しました。長期休暇を利用して、地域一帯の町おこしを含むワークショップを実施したり、昨年度は建築技術向上を目指して、学生設計コンペに取り組んだりしています。

■定例会:基本的に現地集合で活動に取り組んでいます。

■年間スケジュール(2024年度の例)

 

広島建築系学生団体scaleの活動紹介(2024年度)

■マニアハウスリノベワークショップの概要(株式会社 井上工務店 依頼)

株式会社井上工務店は、東広島市福富町にある工務店です。代表取締役の井上富雄さんは、一級建築士事務所 井上設計の主宰者でもあります。本業は「こころハウス」として行っている、戸建て住宅中心のビルダーで、注文住宅から規格型住宅まで地域で多数施工実績をもちますが、一般リフォーム業の他に、10年以上前からボランティア・ワークショップ形式で「古民家リノベーション」を開始しました。

工務店としてではなく、建築学生や地域でDIYを目指す方達に学びの場を提供し、井上さん自身や職人による実地指導を通して、未経験者を含んだ若者たちに施工体験を積ませながら、施工技術や仕事に対する考え方なども伝授していく活動です。

広島建築系学生団体scaleは、井上さんがリノベワークショップ活動を開始してほどなく、ワークショップで改修工事を担う学生団体として参加をすることになりました。

【マニアハウスとは】

対象物件は、東広島市福富町上竹仁に建つ平屋建て古民家です。築年数の古い民家は老朽化して、修繕が必要な箇所も多く、床・壁など一部は解体してから断熱改修していきます。最終的には、地域の親子が集う宿泊可能な、真面目な趣味のレンタルスペース「マニアハウス」となります。

出所:株式会社井上工務店(注:当初計画につき変更が生じる可能性があります)

マニアハウスには、樽サウナ、五右衛門露店風呂、桶風呂、薪ストーブ、ダンスフロア、カプセルホテル型宿泊室などを備え、ボルダリングができるクライミングウォール、ハンモック、ジップラインなどを備え外周を高い塀で囲ったプライベート空間を形成します。安全キャンプ、バーベキューや写真撮影、ダンス合宿、演奏合宿など多種多様なニーズに対応したレンタルスペースとして運用する予定です。

2025年4月デイユースオープンを目指して、毎月に工程を分け、「学びと施工体験のワークショップ」として、毎回、木造家屋の構造や材料、構法の解説を受けながら、施工方法の手ほどきを受けて、改修工事を進行していきます。

学生団体としては、施工だけではなく、準備段階や各所で制作提案を行い、採用されることもあります。

■第1回マニアハウスワークショップ 5月

プロの職人による指導で、基礎工事、土壁解体などを進めていきます。

■第2回マニアハウスワークショップ 6月

良い古民家の見分け方や床の構造について学び、16畳の和室をフローリング張りの大広間に改修します。

■第3回マニアハウスワークショップ 7月

日本杉材100%のバレルサウナの部品作成と設置場所の壁やウッドデッキを造りました。

■第4回マニアハウスワークショップ 8月

日本杉材100%のバレルサウナ組立、キャンプ用ドームテント組立、六角形に見えるヘキサ囲炉裏テーブルの組立を行いました。

■第5回マニアハウスワークショップ 9月

土壁の外壁の外張り断熱施工を行いました。意匠材も張っていきます。

■第6回マニアハウスワークショップ 10月

柱材など木部の塗装と、天井張りを進めていきました。

■第7回マニアハウスワークショップ 11月

室内にロフトを組んでカプセルホテルブース造りました。

■第8回マニアハウスワークショップ 12月

左官職人に指導を受けて、壁の漆喰塗(下塗り)をしました。

■第9回マニアハウスワークショップ 1月

前回漆喰下塗りを行った場所の仕上げ塗りなどを行いました。

★ワークショップの工程は1月20日現在、終了分までですが、残工程も月1回の計画で進んでいきます。

3月に室内、4月に屋外・外構を完成し、2025年4月からデイリーユースを開始します。9月には宿泊利用開始という予定となっています。

■その他の活動

上記ワークショップに伴い、定期的に地域住民や子供たちを集めた地域おこしのワークショップに参加しているほか、代表佐藤さんを含む有志で「ひろしま建築学生チャレンジコンペ」に参加しました。

広島建築系学生団体scaleメンバー構成(2024年度)

・合計人数:13人(男性:5人、女性:8人)

・学年人数:4年3人、3年0人、2年8人、1年2人

広島建築系学生団体scale各種情報

代表(2024年度)

広島大学 工学部第四類 建築プログラム4年 佐藤秀弥

代表メールアドレス : scale.hiroshima@gmail.com

各種URL

・Instagram : 公式インスタグラム(hiroshima.scale)

 

※本記事に掲載した図版、写真は、広島建築系学生団体scale提供によるものです。

(本記事は、総合資格naviライター kouju64がインタビュー取材を行い、記事構成しました。)