【建築学生団体・紹介】関西大学ATACOM

ATACOMは兵庫県丹波市を拠点に、伝統行事「愛宕祭」への参加と空き家改修に、年間を通してアクティヴに関わる学生団体です!

■関西大学と兵庫県丹波市の密接な連携

関西大学は、兵庫県丹波市と2007年7月に締結した連携協定に基づき、丹波市での活動を展開しており、地域と学生・大学の交流拠点である「佐治スタジオ」では、単位認定のある授業の実施や、その他の連携事業を行っています。

■地域住民とのプロジェクトで、愛宕祭への学生参加が決定!

2009年、丹波市氷上町成松で行った「空き家活用を地元住民と共に考える事業」において、関西大学の学生が「愛宕祭」へ出展者として参加し、企画・運営に関わることが決定し、翌2010年より学生団体ATACOM(ATAGO Competition)として活動を開始しました。

「愛宕祭(丹波市)」とは?

愛宕祭は、神社仏閣が立ち並ぶ丹波市氷上町成松地区で、江戸時代中期から350年余り続く伝統ある祭で、兵庫県下最大の夏祭りです。

愛宕祭は、例年8月23日、24日に開催され、23日は鎮火と五穀豊穣と家内安全を祈願し、伝統の「造り物(ツクリモノ)」が奉納され、24日は夜店が並び、4,000発のスターマインを含めた花火大会が催されます。その他にも演奏会など多くの催しが開催され、例年、約4万人の人出があるといわれています。

出所:丹波市観光協会

ATCOMのすごいところ!アピールポイントや参加するメリットなど

2024年度代表を務める環境都市工学専攻 建築分野 修士1年稲垣さくらさんに、ATACOMの「すごいところ」を3つ挙げていただきました。

・Point1:学年問わず意見交流ができる!

・Point2:祭や屋台の企画・運営の大変さがわかる!

・Point3:自分の手で空き家改修ができる!

毎月、自然の美しさと歴史的な魅力が融合した風景が広がる兵庫県丹波市に出向いて、地域の皆様と協働で取組む地域活動に参加ができることや、学生達が主体となってイベントを企画して、まちに新しい風や元気を送り込んでいこうというATACOMのプロジェクトには新たな発見がいっぱい!いつしか丹波のまちが「第二の故郷」になっていくことでしょう。

ATACOMの主な活動

兵庫県丹波市氷上町で開催される「愛宕祭」に参加し、300年以上の伝統がある神様への奉納物「造り物」を学生視点で捉え、実際に祭でつくり、まちに新しい風と元気を送り込む活動を行っています。

また、学生が主体となって地域の方と協働しながら「空き家の利活用」やイベントの企画運営を行うことで、地域の活性化を図ることを目的としています。

■定例会:会議などは必要に応じて関西大学内で実施。

主な活動は、月1~2回、兵庫県丹波市氷上町成松に出向いて実施します。愛宕祭を除くと、毎回、全員ではなく、10名前後くらいで現地に向かいます。丹波へは梅田から公共バスで1時間半から2時間位で到着します。

■年間スケジュール(2024年度の例)

ATACOMの活動紹介

■新入生勧誘&新メンバー勧誘

4月は新入生に対する告知や活動説明会を実施して、新メンバーを募集します。

現状の構成メンバーは3年、4年生が多く、この理由は、入学当初は頻繁な学外活動を「少しハードルが高い」と感じてしまう傾向があるからかもしれません。

学年が上がると日常の大学生活や授業に慣れて、日々の生活に変化を求めたり、先輩や友人たちとの交流を充実させたりしたいと感じるようになります。

3年生から入部したメンバーは、ATACOMの活動を再確認して、「ぜひ一緒にやりたい」と思ったそうです。もちろんATACOMは学年問わず歓迎しています。まずは参加を通して得られる「やりがいや楽しさ」をぜひメンバーから直接聞いてみてください。

■愛宕祭に向けて

ATACOMという名称の由来は「ATAGO Competition Project」にあります。

毎年、愛宕祭に向けて、各班が独自の「ツクリモノ」を企画して審査会に臨み、勝ち残った「ツクリモノ」を全員で製作して、祭り本番で奉納するのです。

愛宕祭に向けた活動を開始する前に、2024「活動テーマ」と「ツクリモノコンセプト」を決めました。

・5月:メンバーを5名ずつに分けて9グループを決定しました。

各班で案を出し合い、それぞれが「ツクリモノ」の企画を決めていきます。

・6、7月:ツクリモノの企画案をさらに詰めていきます。審査会に向けた発表準備も進めます。

7月末には、愛宕祭のユニフォームとしてATACOM専用デザインのTシャツを製作しした。

「ATACOM造り物審査会2024」@ひかみ成松交流館

2024年は、8月3日に丹波市「ひかみ成松交流館」で、造り物審査会を開催しました。各班が提案を発表してコンペ形式で競い合い、最優秀に選ばれたツクリモノを1週間かけて制作していくことになります。

会場には地域の方に集まっていただき、審査において、意見を聞いたり、交流したりすることで、愛宕祭の造り物の文化を守りながらも、学生らしい「造り物」制作を目指します。

2024年最優秀には、最も売れたゲーム機で、発売から20周年を迎えたDSをテーマとした「ようこそ!DSの世界へ!」が選ばれました。

「ツクリモノ」の制作は愛宕祭前に、ひかみ成松交流館で合宿を行い、現地製作します。材料として、たくさんの「紙輪っか」が必要になるため、地域の皆様に製作協力を呼びかけました。

「ツクリモノ製作合宿」@ひかみ成松交流館(8月17日~8月25日)

恒例の夏合宿は9日間に渡ります。愛宕祭前の8月17日から22日までで、ツクリモノを製作します。愛宕祭に出店する模擬店などの準備も必要となります。

愛宕祭では、8月23日に神事や護摩供養が行われ、町内7か所に自治体や地域団体、学生が製作した造り物が設置されます。完成したATACOMのツクリモノもお披露目となりました。

8月24日は成松商店街にある、ATACOMが改修を続けている拠点、CHATTABASEで模擬店を出店し、①スマートボール、➁ボディペインティング、③スーパーボールすくい。④謎解きウォークラリー「とらわれたツクリモノをすくえ!」などを提供しました。

そして、17時から18時は「復活!成松盆踊り大会2024」をATACOMが実施しました。前年よりも、櫓の高さなどを大幅にアップデートし、学生全員で盆踊りを習得して去年より盛り上げようと、踊りの方も率先して頑張りました。結果として去年より多くの住民や子どもたちに盆踊りを楽しんでいただけ、予想以上に盛り上がる催しとなりました。

今年のツクリモノは、発売から 20周年を迎える「DSの世界」をたくさんの紙輪っかで表現しました!合宿中は、朝から晩まで制作に取り組みました。そうして完成したツクリモノは、「スタンプラリー賞」を頂くことができました。

「DSの世界」に入り込んだかのように写真を撮ったり、ライトアップされた空間を楽しんだりと、多くの方々にご覧いただけました。

ATACOMメンバーで、ツクリモノとともに集合写真を撮影しました。

■空き家改修プロジェクト「CHATTA BASEをつくりたい!」

「CHATTA(ちゃった)」とは、丹波地方の方言で「~している」という意味を表します。関西大学の学生が地域住民と合同で構成している地域団体CHATTAと、わたしたちATACOMが協力して、丹波市氷上町にある元酒屋を改修して、地域と学生の拠点となる「CHATTA BASE」をつくりたい!

この空き家改修プロジェクトは、2年ほど前から継続した取組になっていて、年間を通して、2週間に一度程度は現地に赴いてリノベーションを進めています。

リノベーション案はATACOMが企画提案して、改修費用はクラウドファンディング等で協力を募っており、工程に沿って少しずつ改修を進めていますが、愛宕祭などに出店する時など現地活動の拠点として実際の活用も進めています。

■その他の活動

・11月3日から5日まで丹波市青柿町佐治で行われる「八宿祭」に参加しました。丹波の秋の風物詩として地域内外の方から親しまれているイベントです。佐治の町なか全体を会場として、民家の軒先・空き店舗・空き地に飲食や物販の屋台が並びます。ATACOMもカレーライスやスマートボールの模擬店を出店しました。

・空き家改修キャンプ

春休みは時間が取りやすいので、2024年は2月23日から3月16日まで、3週間の「空き家改修キャンプ」を行います。関西大学佐治スタジオに宿泊予定です。

ATACOMのメンバー構成(2024年度)

・合計人数:50人(男性:19人、女性:31人)

・学年人数:M1生2人、4年15人、3年20人、2年6人、1年7人

ATACOM各種情報

代表(2024年度)

関西大学大学院 理工学研究科 環境都市工学専攻 建築分野修士1年 稲垣さくら

代表メールアドレス : saku.ina1215(a)gmail.com

※迷惑メール対策で@を(a)に変えています。

各種URL

・Instagram : atagocompetitionproject 

 

※本記事に掲載した図版・写真は、ATACOM提供によるものです。

(本記事は、総合資格naviライター kouju64がインタビュー取材を行い、記事構成しました。)