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【建築学生団体・紹介】安田女子大学 AR-CO
安田女子大学の学生団体AR-CO(アルコ)は建築で繋がることを目的としたサークル!設立初年度でメンバーは50名を超えて活動中!
建築サークルAR-CO(アルコ)。名前の由来は、「ArchitectuerとConnect」にあるそうです。
2024年4月、学生達が「建築で繋がる」ことが目的のサークルとして設立されました。代表の可部優輝さんは、1年生の時から先輩の設計コンペや卒業設計を手伝いながら、PCソフトの使い方や模型のつくり方を自主的に学んできたそうです。
2023年12月に建築学生1年生を対象として公募開始した「GLコンペティション」の存在を知り、応募しました。作品提出まで、わずか1カ月余りで設計案をまとめ、模型を製作して臨んだ3月中旬の公開審査会で可部さんの作品は佳作に選ばれました。
入賞は大変よい経験になりましたが、全国の建築学生と競い合い、会場で情報交換を行った結果、他大学には学生団体やサークルがあり、コンペ参加者も積極的に大学の授業以外に「建築を学ぶ」活動していることを知ったそうです。
それからすぐに友人や教員に働きかけて「自分たちで学生サークルをつくる」行動に移していき、藤本和男先生、前田紀貞先生、岩城朱美先生の賛同を得て、それぞれ顧問教員として後押しが得られる運びとなりました。
2024年度は設立初年度のサークルとして、活動内容を模索しながら実践し、同時に広島県内の他大学や岡山県の建築学生団体とも連絡を取り合い、交流を開始しているAR-CO。今後、益々の発展が楽しみな建築学生サークルです!
安田女子大学 AR-COのすごいところ!アピールポイントやメリットなど
初年度に代表を務める安田女子大学 家政学部 生活デザイン学科2年 可部優輝さんに、AR-COの「すごいところ」を3つ挙げていただきました。
・Point1:設立1年目で50名を超えているところ!多くの人と交流でき、まだまだ活動内容が定まっていないため、新しいことも主体的に活動できる!
・Point2:モチベーションの高い仲間と会える。コンペや建築学生間の活動に力を入れているメンバーが多数所属しています!
・Point3:”繋がり“によるスキルアップ!大学の授業だけでは知ることができない、建築ソフトの使い方や将来の道、悩みを学生間で共有し、解決に導きます!
代表、可部優輝さん自身の経験や、友人達と共感している課題を、自主的に解決していこうとする行動が、短期間で多くのメンバーが募集できた成果に結びついたようです。活動内容も意見を出し合って、現在進行形で実現を目指すAR-COは、毎年、決まったイベントを消化するのではなく、「繋がる」ことで発展させたり、挑戦したりを繰り返していけるサークル活動です。AR-COには「自分たちでつくる」魅力が溢れています。
AR-COの主な活動
建築サークルAR-COは、建築学生同士の交流、スキルアップを目指して活動しています。初年度は「学生間講評会」、「院生・上級生による相談会」、「建築ソフトの講習会」、コンペ本の「読書会」など、安田女子大学で学年を超えた縦の繋がりを作ることを目的として活動してきました。
今後は、広島県内での「設計作品展示会」、「講演会」、「コンペティション」など、大学同士の横の繋がりを作ることを目指して活動していく予定です。
■定例会:ミーティングや交流会などは、毎週放課後に大学内で開催しています。
■年間スケジュール(2024年度をもとに、実施月は2025年度予定として記入)
AR-COの活動紹介
■新入生歓迎会 4月
2024年度は、4月にAR-COを設立したタイミングだったため、チラシ配布や「学生間講評会」開催を通してメンバー募集をしてきました。2025年度は新1年生が入学後、オリエンテーション等で告知して、サークル説明会や体験会・歓迎会を開催します。現在50名を超えたメンバーですが、新規募集で合計80名超を目指しています!
■学生間講評会 5月・7月・11月・1月
安田女子大学では、2年生、3年生の授業で年4回設計課題に取り組みます。この時、9号館アトリウム1階スペースに、学生が製作した設計作品(プレゼンボードと模型)を一週間展示して、最終講評では教員が巡回審査して、優秀作品が選出されます。
この展示期間を活用して、AR-COメンバーによる「学生間講評会」を開催しています。アトリウムへの展示は、学生にとっては上級生や学友の設計作品をじっくり観覧できるよい機会ですが、学生間講評会では、学生同士で率直な感想を交わしたり、製作をした学生への質疑を通して、疑問点がより明確になったり、表現方法や模型製作について質問して、助言を得られたりするなど、授業だけでは得られない大きなメリットを感じています。下級生が上級生の優秀作品を参考にすることができるので、繰り返すことによって、全体の設計レベルが底上げされることは間違いないでしょう。
■学生間相談会 6月
AR-COでは、毎週定例の交流会で、気軽に学生生活の悩みなどを相談できるように心がけています。授業やイベントに関する情報交換も積極的に行い、AR-COの活動に活かしていきたいと考えていますが、その中でも、進学や就職など将来に向けた具体的な情報は全員が興味を持っています。
そこで院生や4年生に講師役をお願いして、「学生間相談会」を実施しました。大学院に進む準備や、現在の研究、就活の進め方など、先輩達の実体験に基づく回答や助言がとても参考になりました。
■映画観賞会
映画鑑賞会は、「建築に関する学びを得られる映画」を観ることを目的に企画しました。どの映画が良いか調べた結果、2020年10月に公開された「建築と時間と妹島和世」を鑑賞しました。
妹島和世さんが手がけた「大阪芸術大学アートサイエンス学科新校舎」。この建築の設計から完成までを追ったドキュメンタリー映画ですが、日本女子大学を卒業されて、プリツカー賞や村野藤吾賞を受賞されるなど国際的な活躍を続けている妹島和世さんの、実作が完成するまでの過程に触れて、大変刺激を受けました。
■街歩き
「観るべき建築」を実際に探訪しようという企画が「街歩き」です。広島には歴史ある有名建築から、意匠に優れ評価が高い、比較的新しい建築まで、多くの名建築があります。まずは近いところから探訪していこうと、2024年度は「宇品地区」と「本通り周辺」の二回に分けて、建築見学に赴きました。主要な訪問先は、広島市現代美術館・県立広島大学附属図書館・千暁寺・アクタス広島店・平和記念聖堂・旧日本銀行広島支店・平和記念資料館などです。
「観るべき建築」は顧問教員からも教えていただき、まだ多く残っていますが、2025年度は、車で尾道市などに出掛けていくことも検討しています。
■建築PCソフト講座 & エスキス会
大学の授業では、1年次にPCソフトを使用する機会はほぼありません。しかし設計コンペティションに応募しようと思うと、PCソフト使用が必須になりますので、AR-COで自主的に学習できる講座を実施していこうという試みです。
大学のPCルームを予約して、Illustrator、Photoshop、SketchUP、Twinmotionなど基本ソフトの使用体験をします。 また実際にソフトを使用して設計案をつくる機会として「エスキス会」を実施。課題を出して、ソフトを使用して設計コンセプトを考え、簡単な模型づくりを行うことも実施しています。
【2025年度に向けた今後の展望】
安田女子大学 家政学部 生活デザイン学科は、衣・食・住・健康・環境の領域を学ぶ学科の位置づけで、学科内で「住系科目」を履修する学生が、単位取得で建築士の受験資格を得られるカリキュラムでした。
安田女子大学には、2025年度4月からは新たに、女子大学として初の「理工学部 建築学科」が開設されます。現在、新施設として理工学部棟(2号館)の建築工事が開始されており、6階建て延床面積約15,000m2の新校舎が2025年秋に竣工する予定です。
これを機にAR-COが構想しているのは、新施設で建築家講演会や、展示会、ワークショップなどを企画して、他大学の学生や、建築学生団体を招いて、大学の枠を超えた横繋がりの交流を、彼女たちが主役となってつくることです。
新校舎のお披露目として建築企業と連携したり、オープンキャンパスで高校生向けの企画で活躍したりする展開も可能性があるでしょう。
近未来に「自分たちでつくる、多くの繋がり」。その実現に向けてAR-COは走り出していきます。
安田女子大学AR-COメンバー構成(2024年度)
・合計人数:52人
・学年人数: 4年1人、3年15人、2年16人、1年20人
安田女子大学AR-CO各種情報
代表(2024年度&2025年度も継続)
安田女子大学 家政学部 生活デザイン学科2年 可部優輝
代表メールアドレス : kabeyuuki1016(a)gmail.com
※迷惑メール対策のため、@を(a)に変えています。
各種URL
・Instagram : 公式インスタグラム(ywu.ar_c0)
※本記事に掲載した図版・写真は、安田女子大学AR-CO提供によるものです。
(本記事は、総合資格naviライター kouju64がインタビュー取材を行い、記事構成しました。)