国土交通大臣と建設4団体が申し合わせ。賃上げ6%へ【建設NEWS】

中野洋昌国土交通大臣と建設業4団体(日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会)のトップは2月14日、賃上げと生産性向上の実現に向けて、2025年、官民連携を強力に進めることを申し合わせしました。

2025年の賃上げはおおむね6%へ

2025年の賃上げは、国土交通省が2月14日に発表した、公共工事設計労務単価の引上げを踏まえて、技能者賃金の「おおむね6%上昇」を目標に官民で取り組むことを申し合わせて、国土交通省は公共工事だけではなく、民間工事を含めた賃上げを強く要請しました。技能者の賃上げは建設4団体で、目標達成状況をフォローアップして、2026年に結果報告を行うことで合意しました。

公共工事設計労務単価の引上げは、本年で13年連続の実施となり、2025年3月から適用となりますが、民間工事ではなかなか価格転嫁ができていない現状があります。

改正建設業法で適正な労務費の確保・行き渡りを担保する措置が年内に施行されるのに先駆けて、公共工事設計労務単価を一つの指標とした賃上げを、あらゆる現場にどう波及させていくか、建設業界側の積極的な行動が問われます。

生産性向上に対する申し合わせは今回初めて行われた

国土交通大臣と建設4団体の申し合わせ事項には、今回初めて、生産性向上の行動目標が含まれました。

国土交通省では、3月中に建設業向けの「省力化投資促進プラン」を策定します。これを踏まえて、各団体で具体的な目標・期限を定めた計画を早急に策定し、職種などに応じた効果的な取り組みを推進していくことになりました。

国土交通省は昨年度以上に労務費へのしわ寄せ防止を図る

2025年の賃上げ目標は、2024年の「5%を十分に上回る上昇」から変更するとともに、民間工事を対象に含めることを明確化したものです。2024年も各建設業が賃上げを実施していますが、中小企業は5%に届いていない現状があります。

国土交通省は「賃金構造基本統計調査」から算出した技能者の2023年の実年収(432万円)と設計労務単価ベースの想定年収(520万円)を対比し、この隔たりを埋めていく必要性を指摘しました。

改正建設業法に基づく「労務費に関する基準(標準労務費)」をベースに適正額の確保・行き渡り対策、資材高騰分の適切な価格転嫁対策を通じて、労務費へのしわ寄せ防止を図る考えが示されました。

 

(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました。)