2026卒の就活解禁、すでに内定率は4割。何が就活の決め手となるのか?【就活情報】

深刻な人手不足から売り手市場が続き、昨年以上に内定が早く、すでに4割!

3月を迎えて、2026年卒を対象とする企業の「採用説明会」が解禁となりました。深刻な人手不足を背景に学生優位の「売り手市場」が続き、企業側は初任給の引上げなど好待遇を積極的にアピールして人材確保を急いでいます。

就職みらい研究所(リクルート)の調査によると、2月1日時点で大学生の就職内定率は、前年同月比15.4ポイント増の39.3%!

またキャリタスの調査によると、2月1日時点内定率は39.9%とさらに高く、内定社数は平均1.6社で、うちインターンシップ参加企業からの内定社数は1.2社という数値が報告されています。これらは全体平均の内定率ですがほぼ4割という現状です!

理系学生の内定率は全体平均を大きく上回る!

さらに理系大学生の内定率に目を移すと、キャリタスの調査では、理系男子48.5%、理系女子46.0%と全体平均より8.6%から6.1%も高い数値となっています。

2026年卒では、原則卒業年次の3月以降に就活解禁、6月以降に選考開始という採用日程は形骸化していて、実際には卒業・修了年度に入る直前の春休み以降に企業が実施する所定の要件を満たした専門活用型インターンシップを通じて、専門性を判断された学生については、早期選考も可能となるように採用日程の弾力化が進んできました。

そこで大手を中心に各社がインターンシップを積極的に行い、前年以上に早いペースで採用選考が進んできた結果が高い内定率に結びついたといえるでしょう。企業はまさに生き残りをかけて、若い人材の確保と戦力化を進めていこうとしているわけです。

早期選考に弊害はあるのか?

筆者は長く建設系大学を訪問してきましたが、10数年ほど前は先生方から「新年度が始まっても、初夏までは就活が忙しく、研究室で学生の足並みが揃わず、本格的な卒業研究が始まらない」という話題をよくお聞きしていました。

また2015年頃には「就活を開始して、すぐに内定が出てしまい、自己分析や企業研究が十分ではなかったために入社を迷っている」という声を多くの学生から聞きました。

近年は早期選考の前提として、専門活用型インターンシップへの参加があることから、ミスマッチの問題はかなり解消されているはずとも思えるのですが、今度は「複数内定で悩む※」「もっとよい企業を目指して更に就活は継続する」といった声が聞かれるようになってきました。

就職みらい研究所(リクルート)によれば、内定取得企業数は年々増加する傾向にあり、2024年卒平均では2.61社ということです。

また就職活動を終了した学生のうち、「志望度が高い企業から内定(内々定)を取得し、進路を決定したため」という回答をした学生は77.5%にあたり、残り22.5%は志望度が高くない企業からの内定や就活中止によって就活を終了したことになるようです。

早期内定は就活を進めていくうえで励みになると思いますし、志望度が高い企業から得た内定であれば、早期に悔いなく就活を終えて、卒業研究や残り少ない学生生活に邁進できると思いますが、内定後に迷いが生じないように、必要な心構えは再確認をしておいた方がよさそうです。

※前記事紹介「複数内定で悩んでしまった場合、本当に納得できる会社を選ぶためにすべきこと」

自分らしい進路とは?それは「キャリア視点」が決める!

入社後に早期退職を選択する理由のひとつに「思っていた仕事と違った」という定番の理由がありますが、最近では、これに加えて「将来の成長が見えない」という理由が多くなっています。

一度は納得して入社を決めたものの、自身で仕事に向き合い、周囲を見渡して、自身の成長やキャリアアップを実現できる環境にないと感じたことが、就業意欲の低下や「ここじゃない感」に結びつき、早期退職の理由になっているというのです。

これらは、とかく無いものねだりのように批判されがちな退職理由ではありますが、職務適性や職務遂行能力などは、入社後に実務を経験して培われるものであり、本来、若い人材は成長機会や学習機会が得られることで、どんどん潜在的能力が開花する伸びしろが期待できるものです。

学生にとっては将来のキャリア像を入社前にしっかりと決める必要はないと思われます。なぜなら仕事も人生も切り離せないもので、将来ビジョンはライフキャリアと合わせて、現在進行形で変わっていくのが普通ですし、経験を通して発見される偶発性が高いものともいえるからです。

すると、必要なのは「キャリア視点」で、応募する学生が想像するキャリアについて、学生や若手社員と企業の間でコミュニケーションが取れるか?組織内で多様なキャリアパスが開示されていて、学習・研修・育成のようなキャリア形成プログラムが議論されて言語化され、準備されているかどうかが重要なポイントになるのではないかと思われます。

総合職か技術専門職かで異なるにせよ、将来の進路を選択ができる仕組みや、昇進昇格や役割のステップアップなど人事制度についても開示されていることが、わかりやすさや安心感につながると思いますし、最近増えている配属部署の明示や入社後のキャリア支援など応募する学生の期待に応えるような姿勢を示す採用企業が増えています。

ライフキャリアデザインを想定して自分らしい進路選択をしよう!

社会でどのような生活や働き方をしていくのか、どのような仕事をしていきたいかを自ら考えることが重要となります。また独りよがりではなく、就職した企業で働くことで、思い描くキャリアを実現できるかを考えることが重要だと思われます。自分だけが勝手に考えていても、キャリアデザインは実現するわけではなく、職場で仕事を通して社会貢献することで人生を豊かにしていくことが本質です。

就職活動では企業と対話を重ねることが重要ですが、それでも入社後のギャップは完全になくせないかもしれません。就職活動が人生の全てを決めるわけではなく、就職後も自分のライフキャリアは考え続けて更新していくことが必要です。

■自分らしい進路選択をするには?

①自分らしく生きていける仕事・働き方を考える

➁自分が望む生き方・働き方ができる選択肢を客観的に探る

③望む生き方や働き方は変化するので、就職後も自分のライフキャリアを考え続けることが必要

④重要なのは自分らしい選択であり、自分らしい選択が明るい将来見通しにつながる

就活の場でも、「働く人」にスポットをあてて、先輩社員のキャリアや、そこに到達するまでに積んだ経験や、仕事を通した意識の変化、その仕事で得られる楽しさなど、働く人の実像を知る機会が得られることはあると思います。会社説明会だけで足りない場合は、OB・OG訪問を行うこともできるでしょう。

総合資格ナビは、本格的な就活時期を迎えた皆さまが、悔いなく自分らしい進路を選択されますよう応援しています!

 

(本記事は、総合資格naviライター kouju64が構成しました)